「嫌われる勇気」

「誰からも嫌われたくない」「わざわざ嫌われたいと願う人間など、どこにもいない」ということでした。

わたしだってそうです。他者に嫌われることなど望んでいない。「わざわざ嫌われたいと願う人間などいない」とは、鋭い洞察といえるでしょう。

とはいえ我々の努力とは関係なく、私のことを嫌う人もいれば、あなたのことを嫌う人もいる。
これもまた事実です。
あなたは誰かから嫌われた時、または嫌われているのではないかと感じた時、どのような気分になりますか?

他者から嫌われたくないと思うこと。
これは人間にとって、きわめて自然な欲望であり、衝動です。
近代哲学の巨人、カントはそうした欲望のことを「傾向性」と呼びました。

本能的な欲望、衝動的な欲望ということです。
では、そうした傾向性の赴くまま、すなわち欲望や衝動のおもむくまま生きること、坂道を転がる石のように生きることが「自由」なのかというと、それは違います。
そんな生き方は欲望や衝動の奴隷でしかない。
本当の自由とは、転がる自分を下から押し上げていくような態度なのです。

石ころは無力です。
いったん坂道を転がり始めたら、重力や慣性といった自然法則が許すところまで、転がり続けます。
しかし我々は石ころではありません。
傾向性にあらがうことができる存在なのです。
転がる自分を停止させ坂道を登っていくことができるのです。

おそらく、承認欲求は自然な欲望でしょう。では、他者からの承認を受けるために坂道を転がり続けるのか?
転がる石のように自らを摩耗させ、かたちなきところまで丸みを帯びていくのか?
そこでできあがった球体は「ほんとうのわたし」だといえるのか?
そんなはずはありません。

アドラー心理学では「すべての悩みは、対人関係の悩みである」と考えます。
つまりわれわれは、対人関係から解放されることを求め、対人関係からの自由を求めている。
しかし、宇宙にただ一人で生きることなど、絶対にできない。
ここまで考えれば、「自由とはなにか?」の結論は見えたも同然でしょう。

すなわち、「自由とは他者から嫌われることである」と。

あなたがだれかに嫌われているということ。
それはあなたが自由を行使し、自由に生きている証であり、自らの方針に従って生きていることのしるしなのです。

たしかに嫌われることは苦しい。
できれば誰からも嫌われずに生きていたい。
承認欲求を満たしたい。
でも、すべての人から嫌われないように立ち回る生き方は、不自由極まりない生き方であり、同時に不可能です。

自由を行使したければ、そこにはコストが伴います。
そして対人関係における自由のコストとは他者から嫌われることなのです。

きっとあなたは、自由とは「組織からの解放」だと思っていたのでしょう。
家庭や学校、会社、また国家などから飛び出すことが、自由なのだと。
しかし、たとえ組織を飛び出したところでほんとうの自由は得られません。
他者の評価を気に欠けず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。
つまり、自由になれないのです。

嫌われることを恐れるなということです。

わざわざ嫌われるような生き方をしろとか、悪行を働けといっているのではありません。
そこは誤解しないでください。

独善的にかまえるのでもなければ、開き直るのでもありません。
ただ課題を分離するのです。
あなたのことをよく思わない人がいても、それはあなたの課題ではない。
そしてまた、「自分のことを好きになるべきだ」「これだけ尽くしているのだから、好きにならないのはおかしい」と考えるのも、相手の課題に介入した見返り的な発想です。

嫌われる可能性を恐れることなく、前に進んでいく。
坂道を転がるように生きるのではなく、眼前の坂を登っていく。
それが人間にとっての自由なのです。

もし私の前に「あらゆる人から好かれる人生」と「自分のことを嫌っている人がいる人生」があったとして、どちらか一方を選べと言われたとしましょう。
私なら迷わず後者を選びます。
他者にどう思われるよりも先に、自分がどうあるかを貫きたい。
つまり、自由に生きたいのです。

「嫌われたくない」と願うのは私の課題かもしれませんが「私のことを嫌うかどうか」は他者の課題です。
わたしをよく思わない人がいたとしても、そこに介入することはできません。
無論先に紹介したことわざでいうなら「馬を水辺に連れていく」ところまでの努力はするでしょう。
しかし、そこで水を呑むか呑まないかは、その人の課題なのです。

幸せになる勇気には「嫌われる勇気」も含まれます。
その勇気を持ち得た時、あなたの対人関係は一気に軽いものへと変わるでしょう。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するには嫌われる勇気を持つことです。

※参考文献:嫌われる勇気 岸見一郎著

 

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