「行為」のレベルで考えず、まずは存在のレベルで受け入れていく

誰かの役に立ててこそ、自らの価値を実感できる。
逆にいうと、他者に役立てない人間に価値はない。
突き詰めるとそれは、生まれて間もない赤ん坊、そして寝たきりになった老人や病人たちは生きる価値すらないことになってしまう。
なぜか?ある人の祖父についてお話ししましょう。
祖父は現在施設に入って寝たきりの生活を送っています。
認知症のおかげで子や孫の顔もわからないし、とても介護なしでは生きていけない状態です。
どう考えたところで、誰かの役に立っているとは思えません。

ここで勇気づけの概念を説明すると、「うちの子は朝から晩まで悪いことばかりして、「ありがとう」や「おかげで助かった」と声をかける場面がありません」と反論される親御さんがいます。

あなたは今、他者のことを「行為」のレベルで見ています。つまり、その人が「なにをしたか」という次元です。
確かにその観点から考えると、ねたきりのご老人は周囲に世話をかけるだけで、何の役にも立っていないように映るかもしれません。
そこで他者のことを「行為」のレベルではなく「存在」のレベルで見ていきましょう。
他者が「なにをしたか」で判断せず、そこに存在していること、それ自体を喜び、感謝の言葉をかけていくのです。

存在のレベルで考えるなら、われわれは「ここに存在している」というだけで、すでに他者の役に立っているのだし、価値がある。
これは疑いようのない事実です。

たとえば、あなたのお母さまが交通事故に遭われたとしましょう。
意識不明の重体で、命さえ危ぶまれる状態だと。
このとき、あなたはお母さまが「なにをしたか」など考えません。
生きていただけで嬉しい、今日の命がつながってくれただけで嬉しい、と感じるはずです。

存在のレベルに感謝するとは、そういうことです。
危篤状態のお母さまは、たとえ行為としてできることがなかろうと、生きているということそれだけで、あなたやご家族の心の支え、役に立っている。

同じことは、あなた自身にも言えます。
もしあなたが命の危険にさらされ、かろうじて命をつなぎとめたとき、周りの人々は「あなたが存在していること」自体に大きな喜びを感じるでしょう。
直接的な行為など求めず、ただ無事に、今ここに存在してくれるだけでありがたいと。
少なくとも、そう考えてはいけない理由はありません。
自分のことを「行為」のレベルで考えず、まずは存在のレベルで受け入れていくのです。

われわれは他者を見るとき、ともすれば「自分にとっての理想像」を勝手にこしらえ、そこから引き算するように評価してしまうものです。

たとえば親の言うことに一切口答えせず、勉強もスポーツも真面目にこなして、いい大学に進んで、大きな会社に入る。
そんな―ありもしない―理想の子ども像と引き比べて、わが子にあれこれ不平不満をいだいてしまう。
理想像としての100点から徐々に減点する。
これはまさしく「評価」の発想です。

そうではなく、ありのままの我が子を誰とも比べることなく、ありのままに見て、そこにいてくれることを喜び、感謝していく。
理想像から減点するのではなく、ゼロの地点から出発する。そうすれば「存在」そのものに声をかけることができるはずです。

たとえば、引きこもっている子供が、食事の後に洗いものを手伝っていたとします。このとき「そんなことはいいから、学校へ行きなさい」といってしまうのは、理想の子ども像から引き算している親の言葉です。
そんなことをしていたら、ますます子供の勇気をくじく結果になるでしょう。

しかし、素直に「ありがとう」と声をかけることができれば、子供は自らの価値を実感し、新しい一歩を踏み出すかもしれません。

アドラーは言いました。
「誰かが始めなければならない。他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。わたしの助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するには自分のことを「行為」のレベルで考えず、まずは存在のレベルで受け入れていくことが一歩です。

※参考文献:嫌われる勇気 

 

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