[子どもからおとなになるときの役割の変化]

長い間演じてきた役割は、私達の存在意義に等しいものになっているはずです。

だからそこから自由になろうとするとき、私達は自分にこう問いかけることになります。

「もし私が、今まで演じてきた役割そのものでないなら、私はいったい何者なのか?」。

あなたは、今までどおりのあなたです―申し分なく素敵な存在だし、傷つきやすくもろい人間です。

外側がどうあろうと、あなたの中にいる本当のあなたは、今までずっと創造性にあふれ、好奇心でいっぱいで、意欲があり、たくさんの望みを持っていたのです。

そんなあなたの内面の声は今まで無視され、罰によってこらしめられ、育つ機会を与えられませんでした。

けれどもう、あなたは生き延びるための役割という盾で自分を守る必要はないのです。

それでも、こんなふうな疑問を抱いてはいないでしょうか。

「私は看護の仕事をしている。もし私があらゆる人の面倒をみるという状態から回復したら、仕事を変えることになるのだろうか?」

「怒りは、私が知っている唯一の感情だ。なのに、それをもう感じるなということ?」

「責任感が強くて几帳面だったから、私はかなりの収入が得られたし仕事で成功した。

でも回復したら、それも終わりということなのか?」

「柔軟さは私のトレードマークなのに、この長所もなくなってしまうのだろうか?」

役割に縛られなくなるという事は、その役割が持っている強みにまで別れを告げることではありません。

いいところはそのままにして、もっとバランスある生き方を学んでいけばいいのです。

次にあげるのは、あなたが何をそのまま維持し、どこをこれから育てていけばよいかについてのヒントです。

責任を負う子

・リーダーとしてのスキル、物事をきちんと処理する能力、自分から行動を起こす力はそのまま保つ。
ある程度のコントロールを手放す。

・人の話に耳を傾ける力や、人に従うこと、柔軟性、リラックスする能力を育てる。

順応者

・柔軟性と、チームプレーの能力は保つ。

・自分から行動を起こし、決断を下し、他の選択肢に気づく力を育てる。

なだめ役

・人への共感や、人付き合いのスキルは保つ。

・自分をケアし、自分のことを第一に考える力を育てる。

アクティング・アウト

・自分の怒りに気づく力・本当のことを口にする力・リーダーとなる力は保つ。

・もっと建設的な方向に他の人をリードする力を育てる。

・怒りの健康な表現のしかたや、問題解決のスキルを育てる。

役割のもとづく行動はほとんどクセのようになっていて、それをたきつける信念によって自動的にスイッチが入ってしまうはずです。

だから、自分が演じてきた役割に気付いて見直していく作業は、一朝一夕にできるものではありません。

インナーアダルトの5つの力を思い出してください。

ごく小さなことでも、新しい信念にもとづいて行動できた自分を認め、コントロールを手放す怖れや変化にともなう感情を受け止め、自分のニーズに気づくことです。

そして新たな境界を育てていってください。

それは、私達がもっと健康な方法で周囲の人とつながっていくための準備になります。

※参考文献:子どもを生きればおとなになれる<インナーアダルト>の育て方 クラウディア・ブラック著 水澤都加佐監訳