すべては、「安全基地になれるかどうか」にかかっている

愛着アプローチとは、安全基地としての機能を取り戻したり、一時的に肩代わりすることで、愛着システムの安定化を図り、それによって基本的安心感や対人信頼感、ストレス耐性や否定的な認知を改善し、対人関係や社会適応を改善しようとする方法である。

それに併行して、随伴していた症状や問題行動も、自然に落ち着いていくことが期待される。

こうした好循環が生まれる原動力は、「誰かがその人の安全基地になれるかどうか」という事に尽きる。

そもそも、問題が起きているということは、その子、その人を支える安全基地の機能が低下していることが多いのである。

通常ならば安全基地として問題がない場合にも、本人へのストレスが増していたり、試練となるような状況に直面していて、特別な支えが必要な時期にいるという場合もある。

こうした本人の大変さに気付かず、いつもと同じようにあしらってしまうと、本人としては、突き放されたような思いを味わうこともある。

しかし、支え手が回避型の愛着スタイルをもつ人の場合には、自分自身が安全基地になるのは難しいことがある。

たとえば、相手にさほど問題がなさそうなときには、普通に接して安全基地としてふるまってあげられるのに、相手が困ったり、弱っているようなときほど、相手を煩わしく感じてしまい、「自分のことは自分でやって」「そこまで面倒見られないよ」「あまり頼られても困る」などと言って、そっぽを向いてしまうこともある。

助けを求めてこられると、負担に感じてしまい、自分を守ろうとするスイッチが入ってしまうのだ。

これは回避型の人が陥りやすい落とし穴であり、回避型の人を親やパートナーにもつ人は、頼りたい時に頼ることを拒否され、深く傷つくことになりやすい。

本来安全基地とは、平穏無事なときには、あまり頼らなくていいものである。

そんなときには、本人の自由や主体性を尊重して、余計な干渉はしない。

だが、困った事態が起きて、助けを求めてきたときには、諸手を挙げてすぐに受け入れ、避難場所を提供する。

そういう存在があるのが理想だ。

一方、熱い思いや愛情があったとしても、その思いが強すぎて空回りしてしまうと、安全基地としてうまく機能しなくなってしまう。

不安型の人に起きやすい事態だ。

※参考文献:愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる 岡田尊司著