“なぜ人は自分でない自分を演じるのか”

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題である」と言ったハムレットにならっていれば、「自分が自分として生きているか、自分でない自分を演じて生きているか、それが問題である」。

サルは泳げないからサルなのに、魚として生きようとしていることが問題である。

もしあなたが日々悩んでいるとすれば、あなたはサルなのに魚として生きようとしていると思ってよい。
では、なぜ人は自分でない自分を演じてしまうのか。

それは淋しいからであるが、もう一つ価値観に歪みがあるからである。
あなたはサルなのに魚の方が価値があると思うから、魚の真似をして生きようとするのである。

サルより魚の方が価値があるという、木に登るより泳ぐ方が価値があるという、間違った価値の序列化が自分の心の中にある。

そして、実際の自分を卑下しているから、自分と違った自分を演じてしまうのである。

あなたは、今までの人生の履歴をもう一度考えてみるのである。
あなたが「それをしていた」とき、あなたの心の世界では何がおきていたのか、である。

あなたは自分の履歴を外側だけで考えている、だから自信を失う。
しかし、あなたの履歴には、心の世界の履歴もある。

幸せに生きるために大切なのは、「心の歴史」である。

母親の手伝いをする「よい子」がいる。
母親がきらいである。
でも淋しくて、母親から認めてもらいたい。
そこで自分の感情を押さえて無理をして手伝う。

しかし、母親が好きだから家の手伝いをする子供もいる。
同じに母親の仕事を手伝っていても、心の世界で起きていることは全く違う

それを「家の手伝いをする」という外側の行動だけを考えるから、あなたは自分が固有の存在でないように思えてくるのである。

そしてさらに、大人になって自分の人生が固有の人生でないように思える。
そして他人の人生と自分の人生とを比較して「あいつのようであったら」と「あいつ」を羨む。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するには、自分固有の価値を発見することである。

※参考文献:自分の受け入れ方 加藤諦三著