アダルトチルドレンの回復途上の人というのは、なんでもかんでも話したくなるもので、まったく知らない人にさえ自分の生い立ちや感情について語ったりします。

家族と話すときも自助グループや治療グループで体験するような熱心さで語り、相手も心を開いて自分を語ってくれることを期待しがちなのです。

提案としては、家族といきなり話をするのではなく、まずは回復のプロセスを共にしている人とそれを分かち合いなさいということです。

アダルトチルドレンを抱えているベスはセラピーを受け始めて半年ですが、依存症の父親と会うことになりました。

そこでアダルトチルドレンのベスはセラピストに「父と会ったら自分のことを話したいんです」と言いました。

それはどういう意味かと聞かれて、アダルトチルドレンの彼女はこう叫びました。「私がどれだけ怒っているか父に言ってやるんです!」。

アダルトチルドレンのベスが父と会うのは七年ぶりです。

おとなになってからというもの、親子の関係はよく言っても儀礼的という程度でした。

最近では、アダルトチルドレンのベスから父親への連絡といえばクリスマスカードを送るだけ。

セラピーを受けて半年で、深く強烈な怒りを父親に伝えることがよい結果を生むとはとても思えません。

アダルトチルドレンを抱えたベスは三十三年かかって初めて、自分の怒りに気付いたところです。

やっとその感情について語り始めたのです。

アダルトチルドレンの彼女は、自分自身と自分の怒りについてもっとよく知る必要があります。

自分の怒りのどの部分をどのぐらいまで父親と分かち合いたいのか、限界を見極める必要があります。

私達は、急ぐ必要がないのに焦ってしまう場合が多いのです。

アダルトチルドレンを抱えたニ十二歳のウォーレンは七週間のセラピーを受けたところでこう言いだしました。

「家に帰って、僕たちの家族についてわかったことや僕の気持ちを母にはなさないと」。

セラピストはアダルトチルドレンのウォーレンが三か月後のクリスマスには母親に会う予定でいるのを知っていたので、それを待たずに飛んで帰るほど急ぐ理由があるのかと尋ねました。

アダルトチルドレンのウォーレンは「だって、母はクリスマスまでに死んでしまうかもしれない」と答えました。

セラピストは、彼の母親は病気で死の床についているか、非常に歳とっているかのどちらかなのだろうと思い確認してみると、アダルトチルドレンの彼は答えたのです。「いや。母は別に病気じゃないし、四十六歳ですが、もしクリスマスまでに何か起きたらどうするんです?」

アダルトチルドレンのウォーレンは、母との間で大切なことをやり残してしまう不安に反応していたのです。

現実的に言ってアダルトチルドレンのウォーレンの母親がすぐに死んでしまうという危険はまずありません。

アダルトチルドレンのウォーレンは回復を始めたばかりなのだから、母親との親密な分かち合いの前に、もっとセラピーを受けたほうが自分のためになるのです。

次の質問は、あなたが自分の感情や気付きをどの程度家族と分かち合いたいか、気持ちを探るヒントです。

親に話したいこと、きょうだいに話したいことは、それぞれ別々に考えてください。

その内容は、相手によってかなり違っているはずです。

質問1.あなたが言いたいことは何ですか?

自分が何を言いたいのか考えること、そして、すべてのことを話す必要はないのだと理解しておくことから始めましょう。

あなたはその人に、子ども時代の痛みから癒されるプロセスにいることを知らせたいのですか?

子ども時代のどんな痛みを、あなたは分かち合いたいのですか?

セラピーで話し合った内容を、どの程度までその人と分かち合いたいのですか?

完璧を望んでしまうことも起こりがちです―「私はすべてを話す必要がある!」と。

そうではなく、「その部分を?」「どの程度まで?」と自分に聞いてみましょう。

質問2.なぜ、その人にいいたいのですか?

あなたが話したいと思う動機を調べてみましょう。

分かち合いのためには、あなたの側がとことん正直であることが必要です。

もしそれを言ったら、あなたは楽になるでしょうか?
相手に直接話すことで、あなたにとっての問題が明確になりますか?
相手を傷つけるために言いたいのですか?
今自分が取り組んでいることをほめてほしいから話そうとしているのですか?
もし確信がないのなら、はっきりするまで待つことです。

質問3.何が起こることを望んで/期待していますか?

この質問に対して「何も期待していません」という答えが返ってくるケースが多々あります。

何かの期待がなければ話す必要は生じないのですから、隠された答えがあるはずなのです。

どんな答えがあり得るか具体的に言葉にしてみることで、期待はより現実的になります。

たとえば「私が話している間、母が席を立たないことを期待している」「父が耳を傾けてくれることを期待している」というように。

人は時に、期待が裏切られるまで、自分が望んだり期待していることがあることに気付かないものなのです。

多くの人は「あなたを愛している」あるいは「ごめんなさい」という家族の言葉を望んでいます。

こうした反応が返ってくることは可能性として考えられますが、必ずしも現実的ではありません。

質問4.その望み/期待は現実的ですか?

期待や望みは控えめにしておくことです。

アダルトチルドレンから回復を始めていない家族は、罪悪感や、傷つきや、怒りの中に留まっている可能性が高いのです。

彼らはおそらく、かつてと同じようにあなたの言葉を無視し、責め、泣き叫ぶか、あるいは形だけ話を聞いたふりをするでしょう。

分かち合うべきではないと言っているのではないのです。

準備が必要だということです。

多くの人が、アダルトチルドレンから回復している家族とも体験を分かち合ったことで安堵を感じ、自分を確認できたと感じています。

長いこと求めていた「愛している」「ごめんなさい」の言葉を聞くことができた人もいます。

あらかじめ状況を考え、何を言いたいのかをはっきりさせ、タイミングを考慮し、期待が現実的であることを確かめて、準備をすればするほど結果はよりよいものになるはずです。

●体験を家族と分かち合うことを考えているなら、前にあげた四つの質問の答えを書いてみましょう。

頭で考えているより、書いてみるほうが正直になれることが多いのです。

※参考文献:子どもを生きればおとなになれる<インナーアダルト>の育て方 クラウディア・ブラック著 水澤都加佐監訳