問題にきちんと向き合うことは非常に大切ですが、実際に相手を前にして話すかどうかはまた別のことです。

この選択をめぐって、人は非常に葛藤します。

次にあげるのは直接相手に向き合う方法と、象徴的な形で向き合う方法、それぞれの利点と難点です。

これはあなたが決断するための助けとなるでしょう。

面と向かっての直面化には、次の利点があります。

1.自分が言ったことに相手がどう反応するか、見ることができます。

反応を見ることで、相手があなたの話や、起こった事実や、あなたという人間についてどう感じているのかを知る助けになります。

2.面と向かえば、相手はあなたの言っていることを無視しにくくなります。

3.十分な時間をかけて話すチャンスになります。

難点は次のようなことです。

1.相手は、かつてあなたを傷つけた方法に訴える可能性があります。
たとえば、罵倒する、身体的暴力をふるう、激しく非難する、嘲笑する、延々と文句を言ったり嘆く、などです。

そのことであなたは混乱し、怖くなるかもしれません。

2.あなたは相手の反応を知りたくないかもしれません。

相手がどう答えるかはともかく、言葉にすれば気がすむという場合もあります。

3.相手の反応のために混乱し、心にもないことを口にする結果になるかもしれません。

4.相手は自分を守るための言い訳を考えるのに忙しくて、あなたが言おうとすることに耳を貸さないという結果に終わるかもしれません。


面と向かっての直面化をやめる選択をしても、あなたが臆病なわけではありません。

もっと危険が少なく、かつ相手に直接伝えられる方法は、電話したり手紙を書くことです。

この方法をとれば、先にあげた利点はほぼ得ることができ、かつリスクはあまりありません。

間接的・象徴的な直面化は、ゲシュタルト・セラピーやロールプレイ、サイコドラマ、投函しない手紙(本人に送ったり、手渡したり、本人の前で読みあげたりしない)などの治療テクニックを使うものです。

こうした方法の利点は次のことです。

1.相手の反応を怖れることなく、言う必要があることを自由に言葉にできます。

2.相手と安全な距離を保ったままで、関係を終わらせることができます。

一方、つぎのような難点があります。

1.あなたは、相手に直接向き合うチャンスを逃したように感じるかもしれません。

2.自分の気持ちを相手にぶつけていたらどんな感じがしただろうかと、思いめぐらすことになるかもしれません。

今は直接言わないことを選んでも、別の機会に言う可能性を閉ざしたわけではないため、迷いが残る可能性があります。


直接的な方法を選べば、問題は早めに解決します。

その場合、場所や状況設定、あなたが何を言うかを、きちんと計画することです。

前もって話したい内容を練習しましょう。

一番重要なことは何かを考えて、それを最初にいうようにすることです。

繰り返しますが、相手からの反応について現実的になってください。

誰かが過去にあなたを虐待したのなら、その人が突然あなたのニーズを繊細に感じとってくれることはまずないでしょう。

他の家族も、あなたがそんなことを言い出すなんて間違っていると責めるかもしれません。

懲らしめのために、あなたやあなたの子どもを無視するかもしれません。

相手の反応ではなく、自分は何を言う必要があるのかに焦点を当てることが大切です。

あなた自身や、あなたの動機、あなたのニーズをはっきりつかんでいてください。

計画した筋書き通りに事が運ばなくても、がっかりしないでください。

あなたが自分のニーズ、自分の感情とともにいるなら、それで大丈夫なのです。

※参考文献:子どもを生きればおとなになれる<インナーアダルト>の育て方 クラウディア・ブラック著 水澤都加佐監訳