ウサギとカメの裏側のお話

“自分が自分として生きる”

たとえば、ウサギとカメの話がある。

寓話ではカメが勝つことになっているが、それは実際にありえない。
カメは負ける。

カメがウサギにかったらカメはカメでなくなってしまう。
カメは負けたからこそカメであることが証明できた。
対人恐怖症などの神経症的傾向の強い人は何でも勝つことがよいと思っている。

しかし、すべての勝負に勝つことがよいのではない。
この人生には勝つことがよいこともあれば、負けることがよいこともある。

対人恐怖症などの神経症的傾向の強い人は、「あの時に勝っていたら」と考える。
しかし、幸せな人は、たとえ負けても、「あの時に負けた」ことを後悔はしていない。

負けたことで、自分が固有の存在であることが証明されたのである。
ウサギと競争させられたカメは、じつは負けることが幸せになることなのである。

何より大切なことは「自分が自分として生きること」なのである。

ウサギがウサギの仲間の中で幸せに生きていれば、カメに向かって「競争しよう」とは言わない。
ましてやカメに向かって「どうしてそんなにのろいのか」とは言わない。

カメに向かって「どうしてそんあにのろいのか」というウサギは、ウサギの仲間の中で劣等感をもっているウサギである。
やさしさのない不幸なウサギである。

そして、もしカメがカメの仲間の中で幸せにいきているなら、「なんとおっしゃるウサギさん」とウサギに挑戦はしない。
ウサギの劣等感と卑しい心が見えるからである。
もしカメが幸せなら、こんなウサギを相手にしない。

このカメとウサギの寓話は、カメもウサギも不幸なことを表している。

ウサギだって、もしライオンと戦って勝ったら、それはウサギではない。

不幸なカメとは、「私はウサギであるべきだ」と思っているカメである。

不幸な人は、自分は「こうあるべきだ」というところから出発する。
だから生きるのが辛くなる。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するには自分が自分として生きることである。

※参考文献:自分の受け入れ方 加藤諦三著

 

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