“競争意識が強すぎはしないか”

どうしてもリラックスできないという人は、自分はいったい何を自分に否認し続けているのかを反省してみることである。
自分が認めたくないものの焦点は何かということである。

たとえば、本当は体力がそれほどないのに、それを認めることができないビジネスマンがいる。

タフでありたいと願うあまり、その願いの強さに負けて、自分にはそれほど体力がないという現実を認められないのだ。

自分がすぐに疲れるのを素直に認められない。
昨日は仕事がハードだったから、あいつよりは気をつかう仕事だからなどと何やかや理由をくっつけては、自分にはそれほど体力がないということを認めたがらないのである。

ここで大切なことは、そのように現実を否認したり、現実を歪曲して受け取る人の多くは、競争意識が強いということである。

たとえば、タフでありたいという願いが強すぎて自分に体力がないことを認められない人は、やはり「他人に負けたくない」という気持ちが強いのである。

カラスは黒い、レモンはすっぱい、ぶどうは甘い、鈴は耳を押さえても鳴る。
あたりまえのことを歪めてしまう抑圧が、いかに無謀であるかわかるであろう。
「錐は袋を通す」という。
抑圧もこれに似ている。
錐は抑圧したものである。
この場合でいえば、自分はタフではないということである。
袋は無意識である。
どうしても錐は袋を通して出てきて、チクリチクリとその人を刺す。
これがイライラである。

自分はタフではないという自分についての感じ方を抑圧したことによって、タフな人間でなければ他人は尊敬しないという、誤った判断をするようになる。タフでない自分は、みんなに尊敬されないということを恐れるようになるのである。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するには、カラスは黒い、レモンはすっぱい、ぶどうは甘い、鈴は耳を押さえても鳴る、自分は自分。ということを認識することである。

※参考文献:自分を嫌うな 加藤諦三著