「非機能的な怒りに捉われやすい」

安定型の愛着スタイルの人が怒りを表す場合、それは建設的な目的に向けられている。

相手を全否定するのではなく、問題解決のために焦点を絞ったものとして発せられる。

敵意や憎しみといった個人的に向けられた攻撃ではなく、問題そのものに向けられた怒りである。

こうした怒りは、人間関係を壊すよりも、むしろ強化したり、問題解決を促すのに役立つ。

しかし、不安定型の愛着スタイルの人の怒りは、相手を精神的、肉体的に痛めつけることに向けられがちである。

それは、相手との関係自体に破壊的に作用してしまう。

破壊的な効果しかない怒りを「非機能的怒り」と呼ぶが、不安定型愛着スタイル、ことに不安型愛着スタイルの人では、このタイプの怒りにとらわれやすいのである。

ツィンマーマンらは、被験者の若者たちに、友人とペアでかなり難しい課題に取り組んでもらった。

そして、うまくいかずに失望や怒りを感じたときに、友人に対してどういう行動をとるかを観察した。

その結果、不安定型愛着スタイルの人は、失望や怒りを感じるほど、友人に対して否定的な行動(たとえば、友人の提案を話し合うことなく却下する)が増えた。

しかし、安定型愛着スタイルの人では、そうした傾向はみられず、むしろ友人に対する否定的な行動が減ったのである。

この結果は、安定型愛着スタイルの人は、怒りのエネルギーがうまくコントロールされ、より建設的な方向にむけられていることを示している。