”不幸は複利で増えていく”

はじめのスタートとなる人間環境は親ばかりではない。

家族も運命である。

同じ兄といっても、弟を守る兄もいる。

逆に、弟をうつ病に追い込む兄もいる。

たとえば、あっちこっちで飲み歩いて代金が払えなくなってどこかに隠れてしまい、その処理を弟にさせるような兄もいる。

いい加減な事業を起こして失敗したあげく隠れてしまい、弟に借金の処理をさせるような兄もいる。

そうかと思うと、弟に「生き方」を教える兄もいる。

同じ姉と言っても優しく弟の面倒を見る姉もいる。

しかし、働き者の弟を利用して、甘い汁を吸う姉もいる。

肉親の愛の中で育つ人もいれば、肉親に苛められながら育つ人もいる。

人生はとにかく不公平なのである。

そして、肉親の愛の中で育った人は、そのまま、まともな人達の世界に入っていく。

その後も優しい人達との人間関係の形成に成功することが多い。

しかし、酷い家族の中で育った人は、その後も酷い人に囲まれながら生きていくことになる可能性が高い。

多くの場合、同じように、人を利用する質の悪い人に囲まれてしまう。

それは、幼い頃からそのような生き方を身に着けてしまっているからである。

それが、「不幸は複利で増えていく」ということである。

愛を搾取される環境で育てば、どんなにその人が頑張っても、豊かなパーソナリティになっていない。

血管のある人格で頑張っても、結局は、様々な人間関係のトラブルを背負い込まざるをえない。

そのような人が乗り越えなければならないハードルは、自分の宿命なのである。

肉親の愛の中で育った人が越えなくていいハードルを、次々に越えなければならない。

自分の人生の不幸を嘆き「何でだー」と叫んでいる人がいる。

そういう人は、自分が肉親のいじめの中で育っているのに、肉親の愛の中で育っている人と自分の人生を同じに考えている。

そこが間違いなのである。

その人の人生と、愛に恵まれた人の人生は違う。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するには自分の与えられた宿命を真正面から受け止めることである。

※参考文献:自分の受け入れ方 加藤諦三著