”失敗した方が人生にとって良い時もある”

イソップ物語に「王様になったサル」という話がある。

獣たちの間で、サルが踊りを踊って人気者になった。
そして王様に選ばれた。

それをキツネは妬んだ。

そこで罠の中に肉が置いてあるのを見つけて、サルを連れて行き、

「宝物を見つけましたが、自分では手を付けずに、王様の獲物として置いてあります」と言う。

サルはそこに入って罠にかかる。

サルは王様になるべき動物ではない。
サルはライオンではない。

サルは木に登っているからサルなのである

このサルは淋しいから人気者になったことがうれしかったろうが、破滅への道になった。

それに、サルは木登りで人気を博すのが筋である。
踊って人気を得ようとするサルは、よほど淋しいのだろうが、サルの道を踏み外している。

人間の世の中にもこうしたお調子者がいる。
すぐにいい気になる人がいる。
失敗した時には、その時点を見れば失敗であるが、その人にとっては良いことだという場合が多い。

あなたは会社で、あるいは学校で、望むほど人望を得られなくて不満になっているかもしれない。
あなたは、望むほどお金が無くて不満になっているかもしれない。

しかし、あなたの現在の資質から言えば、お金がないことも、人望のないことも、あなたの人生を破綻から救っているかもしれない。

だいたい、すぐに「いい気」になる人の場合、友人もサルタイプの可能性が大きい。
いつか「やっかみタイプ」のキツネにひどい目に合わされる。

学者でも道を踏み外す人がいる。
その人が本来関心のある領域は世間から注目されていない。
そうなると、自己顕示欲が強くて協調性のない学者は、注目を集める領域に手を出していく。
そして挫折する。
注目されないからこそ「その人」なのであるが、それを間違える。注目されたら「その人」ではなくなる。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するには自分らしい失敗を受け容れることである。

※参考文献:自分の受け入れ方 加藤諦三著