問題を抱えた家庭に育つ子どもは、実際のところ、かなりのスキルを身につけます。

彼らはしばしば、他の子どもが学ばないようなスキルを学ぶのです。

ほんの小さな頃から料理ができるようになる子どももいます。

感情をコントロールするのが非常に得意な子どももいます。

周囲の様子にとても敏感になり、人の心配事や嘆きを聞いてあげるのがとりわけ上手になる子どももいます。

どうにか工夫して問題を解決し、何でも人に頼らず自力でやったりもします。

まるでおとなのスキルを持っているかのように数々の状況に対応してきたわけですが、それでも私たちは、子どもだったのです。

あいにく、家族の問題状況の中で私達が学んだスキルや行動は、年齢からすると早すぎたし、怖れや自己否定感を土台にして身につけたものです。

こんな場合、自分が偽者を演じているかのように感じるでしょう。

それに、こうしたスキルは自分からすすんで学んだものではなく、目の前の必要性に迫られて選択の余地なく身につけたものなので、当時は他の解決法を考えつく余裕などなかったはずです。

そのため、おとなになってもたいていは、同じひとつのやり方にしがみつく結果となります。

そんなわけで、今の私達にはスキルがあっても、柔軟性はないのです。

私たちは何をやるにつけ、切迫した感じになります。

「このことを片づけてしまわなければ。

きちんと正確にやっておかないといけない。

間違いはおかせない。

ミスをしてしまったら、何かまずいことが起こるだろうから」

というように、急き立てられてしまうのです。

子どもが学ぶ必要のある行動やスキルをいくつかあげておきます。

あなた自身の体験と照らし合わせてください。

・助けを求める

・適切に感情を表現する

・限界を設ける

・ノーと言う

・自分の価値や感情・ニーズを確認する

・自分から行動を起こす

・質問する

・交渉する

・問題を解決する

・責任をとる

・話を聞く

・遊ぶ

●あなたが子ども時代に身につけたスキルをあげてください。

続いて、身につけてこなかったスキルをあげてください。

ここにあげたのはとても基本的なスキルですが、おとなとしてもっと複雑なスキルに取り組むためには欠かせないものです。

おとなにとってスキルを持っているのは当然と思われがちですが、身につけるチャンスがなかった人もいます。

子どもの頃や思春期にスキルを学んでいないと、成人してから自分が「おとなのふり」を装っているような感覚に襲われるはめになります。

ちゃんとできているのだろうかという不安、変化への怖れ、解決しなければならない問題を前にして怖じ気づく気持ちを隠そうとし、自分の「力不足」をさらす事態にならないよう、周囲の状況をこそこそと調整することに莫大な時間とエネルギーを費やしてしまうのです。

今まで学んでこなかった基本的なスキルを、あなたは今から学ぶことができます。

大切なのは、自分が何を学ぶ必要があるかに気づくことです。

※参考文献:子どもを生きればおとなになれる<インナーアダルト>の育て方 クラウディア・ブラック著 水澤都加佐監訳