安全基地を手に入れるには

どのようにすれば、安全基地を手にいれることができるのだろうか。

愛着という現象には、いくつか大きな特徴がある。

1選択性:特別な関係で、誰でもいいわけではない

2持続性:一旦愛着すると、その状態が持続する

3相互性:互いが互いを大切にし、互いが互いに喜びを与え合う

この中でも、愛着を安定したものに変えていくうえでのカギを握るのが、相互性である。

愛着が相互的であるということは、何を意味するのだろうか?

自分が振る舞うように、相手も振る舞うようになるということである。

自分の反応が愛着を強くも弱くもするのである。

自分が非難や攻撃、拒絶、無視をすれば、相手も同じことをするようになる。

力ずくで、それを手に入れることもできないし、演技や策略で、一時的に望みを叶えたとしても、最終的には愛想を尽かされてしまう。

逆に、自分が安全基地になっていると、相手も自然に安全基地となっていく。

演技や自己開示といったアピールによって、気を惹くことも大切な手段だが、もっと大切なことは、自分が相手にとっても安全基地になるということである。

そのための努力を払わなければならないのだ。

では、どうすれば、安全基地になれるのだろうか。

安全基地となるためには

1.安全と秩序を守る

まず、大切なのは、相手の安全感を脅かさないことだ。

非難や攻撃はもちろんマイナスだが、一方的な押し付けや支配も、関係を壊していく。

安全は、秩序とも関係が深い。

予測不能な気分・態度の変化は、相手の安全感を脅かしてしまう。

見通しが立ち、いつも変わらないことが大切である。

相手の安全を守る上で、もう一つ大切なことは、相手の独立性を脅かさないことである。

過度に求め過ぎたり、縛り過ぎたり、期待をかけすぎていると、いつしか危険基地になってしまう。

逆に、安全基地の安全や秩序を脅かすことは許さないという姿勢も必要だ。

安全基地になるということは、相手の言いなりになったり、一方的な自己犠牲を払ったりすることではない。

愛着が不安定な人ほど、安全基地になろうとすると、よいパートナーやよい親として振る舞いすぎ、無理をしてしまいがちだ。

それでは、いつか破綻してしまう。

何でも許し過ぎず、不快に感じたことや困ることは、率直に伝えることも必要なのである。

2.相互的応答性

安定した愛着のもっとも重要な特徴とされるのは、この相互的応答性である。

一方的な押し付けではなく、対等な関係で、求められたら応えるというスタンスが、基本である。

それがうまくいくためには、相手の反応をよく見て、丁寧にやりとりしながら、共有できる部分を増やしていくという姿勢を常に忘れないことだ。

独りよがりに結論を出そうとしたり、急いで決着をつけようとしたりすると、相互性が失われ、相手の思いからズレてしまい、安全基地ではなくなってしまう。

3.共感性

三番目の条件は、共感性だが、これは人間ならではのより高度な安全基地の条件だと言える。

相手の立場で、相手の気持ちを考えることは、安全基地になれるかどうかを、大きく左右する。

相手と同じ気持ちになれなくても、相手の気持ちを理解する努力は、安全基地になるためには必要だと言える。

相手を理解するだけでなく、自分を理解してもらうことも大切だと言える。

そのためには、相手にも共感してもらうための努力が求められる。

気持ちや事情を伝え、自分の気持ちを理解してもらう能力も、共感性のもう一つの側面だと言える。

共感性が高い人は、相手の気持ちを理解することに長けているだけでなく、自分の気持ちを理解してもらうことにも長けているのである。

気持ちをわかってもらえないと嘆くよりも、気持ちや事情を伝える努力を怠っていないか、振り返ってみて、必要な対処を考えてみよう。