回避型愛着スタイルの人は、他人との接点が少なく、どく限られている。

だが、まったく接点がないわけではない。

回避型愛着スタイルの人の場合、外との窓口の役割を果たしているのが興味の領域である。

そのため、興味を共有することが、回避型愛着スタイルの人との関わりにおいては、とりわけ重要になる。

自分が興味をもっていることに関心をもってくれているということが、親しみの原点なのである。

支え手にとっては、回避型愛着スタイルの人と関心を共有できないまでも、それに対して敬意を払い、相手が語ることに共感しながら耳を傾けることが、信頼感を高める。

演出家の宮本亜門さんは、子ども時代、学校にも友達にもうまく溶け込めず、不登校になったことがあった。

小学校に上がらないうちから日本舞踊を習い、小学校5,6年のころから、仏像に興味をもったという亜門さんの趣味を理解できる同い年の友達などいなかったのである。

一年ばかりもひきこもって暮らした亜門さんは、母親の勧めで精神科を受診することになる。

不安な気持ちを抱えて診察椅子に座った亜門さんに、担当した医師は親しげに話しかけ、亜門さんの日々の生活や関心をもっていることについて興味津々の様子で聞いてきたという。

さぞ嫌なことを聞かれるのではないかと防御を固めていた亜門さんは、すっかり拍子抜けし、日本舞踊や仏像について語ったのだった。

すると、医師は、「きみの話は、面白いね」と身を乗り出し、実は自分も仏像が好きなのだと打ち明けたのだった。

そこからしだいに、子どものころのことや親とのこと、自分の抱えている苦しさなどを話すようになった。

その中で、失っていた自己肯定感や安心感を取り戻していったのだ。

亜門さんは、ひきこもりを脱し、再び登校するようになる。

※参考文献:回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち 岡田尊司著