母なるもの

マズローは、神経症は欠乏の症状だというが、基本的愛情欲求がみたされていないというのは、まさに欠乏状態である。

そしてこの欲求不満で怒っている人はまだいい。

うつ病のように無気力になる人というのは、自分の欲求不満を抑圧してしまった人である。

つまり自分の愛情欲求が満たされていないということにさえ気が付いていない。

自分が母なるものを求めているということにさえ気が付いていない。

うつ病になるような人は、自分が何を求めているかがわからないという人が多い。

自分の人生の目的がわからないうえに、自分自身がどういう人間だかがわからない。

そうなれば、対人恐怖症、社交不安障害の人は、心の底ではイライラして毎日が不愉快である。

そういう時に、ただ修行とか忍耐とか言ってひたすら我慢するのは、決して望ましいことではない。いつまでたってもイライラはなくならない。

対人恐怖症、社交不安障害の人はなぜこんなにイライラするのか、自分はなぜ何もやる気にならないのか、自分はなぜすぐにこんなに不愉快な気持ちになってしまうのか、を考えることが大切である。

好きなことがわからない、何のために生きているのかわからない、ほっとすることがない、生きていることが自分にぴたっとこない、人生の目的が何なのかわからないというときには、多くの場合には、その人は自分が母なるものをもとめているのだということに気が付いていないのである。

母なるものをもった母親のもとで育ったひとにはそういうことはない。

しかし母なるものを持った母親どころか、子供に全く無関心な親や子供嫌いな母親のもとで育ったときには、そうした欲求はまったく満たされていない。

少しでも満たされていれば、自分の欲求不満に気付く。

しかしまったく満たされていない対人恐怖症、社交不安障害の人は自分の中にそんな欲求不満があることさえ気づかない。

対人恐怖症や社交不安障害、うつ病等々の人々が本当に求めているのは母なるものである。

しかしその自分が本当に求めているものがわからないのだから、好きなものも、自分の人生の目的もわからなくて当然である。

そして何となく不安で、何となく焦っていて、日々不愉快で、何か疲れて、毎日イライラして頭にくることばかりである。

しかもその頭にくることさえ抑圧している人の場合には、そうした感情さえ意識できていない。

 

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