自分が演じていた役割には強みがあるし、その価値は認めていいのです。

問題は、私達がその役割を身につけてきた背景にはたぶん怖れがあり、そのため今でも、怖れを土台にして行動しているということです。

また、私たちは孤立した状態のなかでこうした役割を身につけているため、別の方法を学んでいないのです。

たとえばリーダーとなることはできても、人に従うことができないかもしれません。

あるいは、過酷な状況をうまくやりすごすことはできても、人に合わせるだけで自分の意見を表明できないかもしれません。

こうした役割は、生活のあらゆる面で私達の行動を決まった枠にはめます。

職業選択や、パートナーや友人の選択、どんな家族をつくるか、子どもとどんな関係をつくるか、同僚とどんなふうにやっていくか、そして自分についてどう感じるかにも、影響を及ぼします。

私達が同じ行動パターンを繰り返すとき、こうした行動に火をつけている信念が存在しています。

ですから役割に縛られなくなるためには、信念を新しいものに変えていくことが必要です。

それぞれの役割はどんな信念によって駆り立てられたものか、そしてその信念をどんなふうに変えていけばよいかを表にまとめました。

信念を新しいものに変える

責任を負う子
これまで→ これから
・私がやらなかったら、やる人はいない
・私がこうしなければ、何かまずいことが起こるか、事態が悪化する
・成果をあげていなければ、私には価値がない
・私がやらなければ誰かがやるだろうし、それでかまわない
・私がやらなければ違うやり方が取られるだろうが、それでかまわない
・結果を出すことで価値を認められるのでなく、私そのものに価値がある
順応者
これまで→ これから
・私が感情を動かさなければ、傷つくこともないだろう
・私が何をしても、どうせ事態は変わらない
・目立たないでいるのが一番いい
・私が感情を動かさなければ、人とのつながりは得られない
・私は物事を変えることができる
・私には価値があり、尊重に値する
・私は関心を向けられるに値する
なだめ役
これまで→ これから
・私がいい人でいれば、みんなが好きになってくれる
・他の人に目を向けていれば、自分のことをみなくてすむ
・私が世話をしてあげれば、あなたは私から離れていかないはず
・私は他の人の世話をしなかったとしても、好かれる人間だ
・自分に目を向けていい、私にはそれだけの価値がある
・あなたが私のそばにいるのは、私が私だからで、私が世話してあげるからではない
アクティング・アウト
これまで→ これから
・私が大声でわめけば、誰か気づいてくれるかもしれない
・ほしいものは奪い取るしかない、誰も与えてはくれないのだから
・私のニーズは誰より優先だ
・私は自分が何を望んでいるか自分に聞ける、他人の望みにも耳を貸す
・世界は残酷ではないし、私は一人で生きているわけではない
・他人のニーズも認める必要がある

※参考文献:子どもを生きればおとなになれる<インナーアダルト>の育て方 クラウディア・ブラック著 水澤都加佐監訳