愛着の改善は、広く問題の改善に役立つ

考えてみたら、愛着は、家族や配偶者、恋人との関係だけでなく、あらゆる対人関係にかかわってくる問題であり、たとえきわめて恵まれた環境で育ち、安定した愛着をもった人であっても、出会う相手がすべて同様に安定した人というわけにはいかない。

不安定な愛着のパートナーや恋人、友人、上司や同僚、顧客に出会い、そうした人とかかわらざるを得ないという事も少なからず起きる。

それゆえ、一筋縄ではなかなか上手く行かない問題に出会ったとき、一度立ち止まって、愛着という観点から物事を見つめ直してみるのも、無駄ではないだろう。

愛着の安定化、言い換えると、安全基地の機能を高めることは、愛着との関連が深い問題だけでなく、たいていの問題の改善に有効だという気がしている。

それは、あなたが幼い子どもだったときのことを考えてみれば当然のことかもしれない。

あなたが躓いて足をケガしようが、意地悪な友達に泣かされようが、熱が出て体調が悪かろうが、母親がやさしく抱っこをして慰めてくれることは、まるで万能薬のように、何にでも効果があったはずだから。

逆にいえば、薬や包帯をどっさりもらったところで、優しく世話をしてくれる人がいなければ、元気になる意味さえないに違いない。