その人の愛着スタイルは、対人関係に本質的とも言える影響を及ぼすだけでなく、内面の在り方や、自己コントロールの仕方、ストレスに対する敏感さにも反映される。

何を望み、何を恐れ、どのように自分を守り、どのように自分を律しようとするか―意思決定と行動選択の根幹に関わる部分でも、見えない腕となって結果を操っているのである。

それぞれの愛着スタイルは「作業モデル」と呼ばれる行動のプログラムを持っている。

それは、幼い頃からこれまでの人生の中で作り上げられてきた、行動や反応の鋳型であり、判断基準である。

このプログラムは、幼い頃の体験ほど強く組み込まれるが、その後の体験によっても、ある程度修正が加えられる。

このプログラムの特異な点は、単に心理学的な解釈や行動選択に関わるだけでなく、ストレスに対する耐性のような生理学的な反応までも左右し、健康や寿命にも大きく影響することである。

たとえば、不安定な愛着スタイルをもつことは、高血圧になりやすい遺伝子をもって生まれたのと同じくらい、健康を脅かす要因となり得るのである。

その意味でも、愛着スタイルは後天的に身についたものでありながら、遺伝子と同じくらい、あるいはそれ以上に、人生を左右しているのである。

愛着障害は、不安定な愛着スタイルを抱えた人の問題であるが、愛着スタイルは、すべての人が関係する問題である。

愛着障害というほど不安定な愛着に悩まされていなくても、愛着スタイルに偏りを抱えていることは多いのである。