安定型愛着パターンの子どもでは、活発な探索行動がみられやすい。

同じように、安定型愛着スタイルの大人は、仕事に対して熱心なのだろうか。

実際、行われた研究は、その問いに対して「イエス」と答えている。

つまり、安定型愛着スタイルの人は、仕事に対して積極的で、仕事上の問題も少なく、また、概して社会的地位が高く、仕事の満足度も高い傾向がみられたのである。

また、仕事に対人関係の問題を持ち込まない傾向がみられたことも重要だろう。

それに対して、不安型愛着スタイルの人は、仕事においても愛着と関連した行動が多く、そのことに大きな関心とエネルギーが割かれる。

仕事上の成功、失敗は、単に仕事の問題ではなく、それによって自分が受け入れられるか、拒否されるかという対人関係の問題にすり替わりやすい。

そのため、肝心な仕事自体がおろそかになることも起きる。

また不安型愛着スタイルの人は、仕事をうまくやりこなせているかどうかに自信がもてず、性別や学歴の影響が出ないようマッチングという操作をして比較しても、平均よりも給与が低い傾向がみられた。

その背景には、実際に仕事ができているかどうかということよりも、自己評価の低さや自信の欠如も影響しているだろう。

一方、回避型愛着スタイルの人は、仕事上の問題よりも、同僚との軋轢が多く、孤立を招きやすい。

これは、不安型愛着スタイルとは逆に、同僚に対して関心が乏しかったり協調性に欠けるためだと考えられる。

不安型愛着スタイルの人も回避型愛着スタイルの人も、安定型愛着スタイルの人に比べて、仕事の満足度が低く、仕事のストレスや燃え尽きも多かった。

特に不安定型の愛着を示す若い女性では、二年後に稼働能力を調べると、低い傾向がみられた。

安定型愛着スタイルの人が、仕事を順調に行える要因としては、親など家族との関係が良好で、恵まれた支援を受けやすく、それが仕事にもプラスに作用するということが挙げられる。

それに対して、不安定型愛着スタイルの人は、家族との関係が不安定で、支えられるどころか、足を引っ張られてしまうということが起こりやすく、仕事にも影響すると考えられる。

ただし、親との関係がぎくしゃくし、不安定型愛着スタイルを示している場合でも、パートナーとの関係が良好で、安定型の愛着を示すようになることで、仕事に良い影響が期待される。