幼い頃の愛着スタイルは、まだ完全に確立したものではなく、相手によって愛着パターンが異なることも多いし、養育者が変わったり、同じ養育者でも、子どもへのせっしかたが変わったりすることでも変化する。

そのため、この時期の愛着の傾向は、愛着スタイルとは呼ばずに、愛着パターンと呼んで区別するのがふつうである。

子どもにおいて調べることができる愛着パターンは、特定の養育者との間のパターンに過ぎず、まだ固定化したものではない。

母親とは不安定な愛着パターンを示す子どもでも、父親とは安定した愛着パターンを示すということもある。

もちろん、その逆の場合も多い。

祖父母と安定した愛着がみられる場合もあれば、まったくみられない場合もある。

両親と安定した愛着関係をもつことができれば、安定した愛着スタイルがうまれやすい

しかし、親との愛着が不安定な場合でも、それ以外の大人や年長者、仲間に対する愛着によって補われ、安定した愛着スタイルが育つこともある。

ただ、昨今のように人間関係が希薄になってくると、親以外との人間関係が乏しくなり、親との愛着がうまくいかない場合に他で補われにくいという状況がある。

親をはじめ、子どもにとって重要な他者との間で愛着パターンが積み重ねられていくうち、十代初めのころから、その人固有の愛着パターンが次第に明確になる。

そして成人する頃までに、愛着スタイルとして確立されていく。

 

大人の愛着スタイルは、診断法により多少違いがあるが、大雑把に言って、安定型(自立型)、不安型(とらわれ型)、回避型(愛着軽視型)の三つに分けられる。

不安型は、子どもの抵抗/両価型に対応するものである。

不安型と回避型は、不安定型に属する。

遺伝的な気質とともに、パーソナリティの土台となる部分を作り、その人の生き方を気づかないところで支配しているのが、愛着スタイルである。

愛着スタイルは恒常性をもち、特に幼いころに身に付けたものは、7~8割の人で生涯にわたり持続する。

生まれ持った遺伝的天性とともに、ある意味、第二の天性としてその人に刻み込まれるのである。

それが、後天的な環境の産物であることを考えると、いかに重要かがご理解いただけるだろう。

遺伝的天性を変えることはできないとしても、愛着という後天的天性を守ることは可能だからだ。