自分が誰がどうだかわからない

“親や年長者を対等と思い込む人”

悩んでいる人が心理的に健康な人と違うのは、自分の位置がわかっていないということである。

難しく言えば、悩んでいる人はアイデンティティーが確立されていない。

つまり、悩んでいる人は自分が何者であるかが分かっていない。

自分の社会的な位置がわからないから、誰とでもすぐに対等になってしまう。

親とも、学校や習い事の先生とも、幾多の困難を乗り越えてきた年長者とも、さまざまな形で社会に貢献してきた社会的な功労者とも、すぐに対等になってしまう。

自分が新入社員でも、一度一緒に酒を飲めば部長と同じ位置の人間になってしまう。

歌を歌いたいと思った時には、もう気持ちが大歌手と対等になってしまう。

悩んでいる人は、たとえば、自分がまだ勉強を始めたばかりの学生でも、大学者と対等になってしまう。

相手がその立場に立つまでにながしてきた涙も、エネルギーも、汗も、長い時間も理解していない。

そういう点で、悩んでいる人は、恐ろしいほど相手に関心がない。関心があれば、「この人は長いこと苦労をしてきたのだ」ということが見えてくる。

自分は何も苦労をしていないのに、長いこと辛酸をなめて努力してきた人と同じになってしまえば、何をしていても不満で仕方ないであろう。

なぜなら、周囲の人は、その人をそういう人として扱わないからである。

素人は素人として扱う、学生は学生として扱う、社会的に係長であれば係長として扱う、努力している人を努力していない人と同じには扱わない。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するには相手に関心を持ち自分のアイデンティティーを確立することである。

※参考文献:自分の受け入れ方 加藤諦三著

 

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