逃げるのではなく、面倒事にも自分から飛び込んでいくという攻めの姿勢に転じることが、回避からの脱却において決定的な意味を持つ。

そして、そこで起きることは、自分の責任を引き受け、自分の人生を自分の意思と決断で生きようとする覚悟をもつことである。

それはひと言で言えば、主体性を取り戻すということでもある。

主体的な転換が起きるために必要なのが、自分の気持ちや考えを言葉にするという作業である。

自分が何を望んでいるかをあいまいにせずに明確して、それを口にすることが大切なのである。

普段からそうすることを心がけたい。

動機づけ面接法にしろ、解決志向アプローチにしろ、ACTにしろ、最近の心理療法では、コミットメントということを重視する。

コミットメントとは、自分の意思をはっきり表明することだ。

「こうなりたい」「こうしたい」「このことを目標に掲げる」「こうなることを決意する」など、自分の決心、覚悟を明確な形で述べる。

コミットメントが重視されるのは、それが変化を強化する力をもつからだ。

目標は明確で具体的なほど、強い力をもつ。

口に出して、「自分はこうなるために、このことをする」と述べることによって、実際に行動が変化する可能性が高まるのである。

不言実行などというが、実際には、口に出している方が行動も伴いやすい。

わかってくれない人にまで敢えて言う必要はないが、少なくとも自分に対して決意が明確になっていなければ、何も変わりようがない。

そして、決意とは、他人に対して言うことによって、さらに試され、純化され、力強いものとなっていく。

カウンセリングなどの心理療法が変化を促すのは、自分の気持ちを安心して受け止めてもらえるという中で、自分の考えを言葉にし、コミットメントを行ない、それがやがて強い決意や覚悟にまで高められていくからである。

日々の生活の中でもコミットメントし、明確な意思決定や強い覚悟を形成することが、その人の人生を切り開き、動かしていく。

※参考文献:回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち 岡田尊司著