早起きを自分の時間割で心がける

ここでは、自分の時間割について考えます。

人のダンゴにつかまらないためには、やることがわかっていたらすぐに取りかかる習慣をつくるのが大事です。

仕事でも勉強でも家事でも、それを守れれば自分の時間割の骨格はつくれます。

早め早めの着手を心がけるだけで、足の引っ張り合いの世界から抜け出せるのです。

では具体的にどんな時間割をつくればいいのでしょうか。

それは早寝早起きが基本です。

さらに単純化すれば「早起き」です。

朝の時間をふつうの時間割より2時間繰り上げるだけで、1日が何もかも変わってくるからです。

いま7時に起きている人なら5時にしましょうということです。

それによって、午前中のすべてが変わります。

こういったことは、早朝の時間活用や早起きの効能を唱えるたくさんの本、雑誌にすでに紹介されていますから、ここであえて詳しい説明はしませんが、それでも一つだけ強調したいメリットは、夜の時間に未練がなくなるということです。

そもそも2時間早く起きれば2時間早く眠くなるのがわたしたちですから、いままでのようにダラダラと起きて時間つぶしをするような生活は不可能になってしまいます。

早起きすれば午前中の仕事が効率よくできるとか、出社前に勉強ができるとか、そういった現実的な効果も大事ですが、一日の時間割が朝型にシフトするというだけで確実に変わってくることがあります。

他人に心惑わされたり、争いに巻き込まれる時間が減ってくるということです。

なぜなら、朝の時間はだれでもこころが安定していて、前向きな気持ちになれるからです。

これから始まる1日を、スッキリした気持ちで迎えることができれば、こんな絶好のスタートはないのです。

肉食系は夜型、草食系は朝型

ほとんどの場合、わたしたちの感情が乱れるのは夜の時間帯です。

体はもちろん、精神的な疲労感もあります。

その日にあったイヤなことが、こころのどこかに「しこり」となって残っていたりします。

予定通りにいかなかった仕事も気になります。

さらには他人との付き合いもあります。

そこでまた不愉快なことがあれば、自宅に帰ってもどこかスッキリしません。

しかも、一つ間違うと夜の時間はエンドレスになります。

まず誘惑が多いのです。

テレビやパソコンやアルコールといった誘惑です。

そこでつまずいてしまうと、疲労感はどんどん蓄積されます。

その点で、朝は静かです。

周りが静かなだけでなく、自分自身の気持ちも平静です。

朝型の時間割を守るということは、1日のなかに静かな気持ちで過ごせる時間が増えるということです。

これだけでも、「争わない生き方をする人」には幸せなことのはずです。

もちろん、夜が大好きという夜型人間もいます。

仲間と一緒に飲んだり食べたりして過ごす時間がいちばん楽しいという人たちです。

そういう人たちに、夜を任せておけばいいでしょう。

華やぎに満ちた夜時間の似合う人というのはたしかにいるのですから、そこでたっぷりと高揚感を味わってもらえばいいのです。

争いの嫌いな人が、ムリしてその時間に加わる必要はありません。

いわば肉食系と草食系の棲み分けということになります。

「しょうがない、やるか」と思える時間割

まずほとんどの人は、自分の時間割を守れた1日が過ぎればホッとします。

いくつか予定したことがあって、それがすべてうまくいかなくても、とにかくこの時間はこれをしようと決めたことが実行できると安心するのです。

多分、自分が「意志の弱い人間」だと知っているからでしょう。

決めたことが実行できない。

すぐ誘惑に負けてしまう。

「たまにはいいか」と思って誘いに乗り、結局、後悔することが多い。

そんな経験を何度も繰り返してきたら、ただたんに時間割を守れただけでも嬉しくなるのです。

たとえば受験勉強や資格試験は、8時から10時まで勉強という時間割をつくったらその間はとにかく机に向かい続けるのです。

すると、勉強に集中できなくてもあきらめの境地になってしまいます。

「ほかのことに手を出してはいけない時間」と決めているのですから、10時までは動けないのです。

それを毎日続けていると、少なくとも1日2時間、机に向かう習慣だけはできてきます。

実際に勉強ができたのかという中身の問題は、どうでもいいのです。

まず習慣をつくってしまうことが先決なのです。

なぜなら、机に向かう習慣さえできれば、その時間に勉強するところまではあと一息です。

ほかにやることがなければ、「しょうがない、勉強するか」ということになるからです。

時間割を守れないうちは、気が向いたときでなければとても勉強する気にはなれないのです。

自分の時間割で最低限の結果は出る

勤めのある人でも、「今日は出社したくないな」と思う朝があります。

通勤電車に乗っても、「このままどこかに遊びに行きたい」と思うことがあります。

職場についても、「やる気がしないからカラオケボックスで寝てるか」と思うときがあります。

すべて、「思う」だけですね。

それを実行すればどうなるか、みんなわかっています。

無断欠勤やサボりがバレたら大変だというだけでなく、会社員としての時間の枠をすべて無視すれば、自分がどこかとんでもないところに行ってしまうような気がするからです。

それから一つだけはっきりしているのは、すべての仕事がストップします。

成果ゼロの1日になってしまいます。

いくつかの予定や約束を放棄することで、ゼロどころかマイナスにさえなってしまいます。

けれども、イヤイヤでも出社さえすればゼロということはありません。

予定通りに仕事が進まなくても、最低限、その日に約束していたことは実行します。

そのぶんだけの積み重ねはできるのです。

時間割を守るというのは、この最低限の結果を出せるということです。

その時間の中身がどうであれ、時間割さえ守っていれば大きく崩れることはありません。

「形より中身が大事」という考え方は、まず形をつくってから身につけても遅くはないと思います。

「中身だよ」という人は、形さえつくれずに悪あがきしている人ではないでしょうか。

つまらない人はうらやましい人のこと

時間割を守る人間は、はたから見ればクソまじめで面白みのない人間に思えてくるでしょう。

「つき合いの悪いやつだ」とか、「融通の利かない人だ」と思われるかもしれません。

ときには「度胸がない」とか「小市民」とまでいわれます。

とにかくあれこれいわれることが多いのです。

したがって、時間割はしばしば守れなくなります。

「たまには仕方ないか」と思って気が進まないときでもお酒をつき合ったり、グチや悪口を聞かされたりします。

するといつも気がつくことがあるのです。

「みんな、あんまり楽しそうじゃないな」と思ってしまうのです。

お酒の勢いで盛り上がりますが、しょせんは悪口やグチ、自分のつまらなさをさらけ出しているだけになります。

もちろん自分もそれほど楽しくありません。

ということは、時間割を守れない人や、そもそも時間割などもっていない人は、いつもたいして楽しくないのかもしれないと気がついてきます。

自分の時間割を守って付き合いの悪い人間のことを「つまらないやつ」といってますが、ほんとうは「うらやましいやつ」と思っているかもしれないのです。

時間割を守れば場の空気に流されない

「争いの嫌いな人」は、基本的に自分の時間割を守りたい人です。

他人のペースにふり回されたくありません。

コツコツ、自分のペースを守ってやっていければいいと考えています。

ところが「争いの嫌いな人」ほど、そのペースを乱されやすいところがあります。

周囲の雰囲気に合わせたり、誘われれば断れないことが多いからです。

自分の気持ちをいい出せなくて、つい決めていた時間割を守れなくなってしまいます。

では気の強い人はどうでしょうか。

じつは気の強い人だって同じなのです。

誘いがかかれば断るのが癪な気分になります。

自分のいないところでみんなが盛り上がるのは面白くないからです。

だから声をかけてもらったほうが安心します。

仲間はずれがイヤなのです。

すると、敵は「場の空気」ということにならないでしょうか。

その場に入ってしまうと、なんとなくその空気に染まってしまうからです。

「今日はさっさと帰りたい」と思っているのに、だれもそれを口にしないから「少しならいいか」という雰囲気になってしまうのです。

そういうときこそ自分の時間割を思い出してください。

まず朝型生活です。

「よい子はさっさと帰って寝るのだ」と笑顔で宣言するだけでいいのです。

あるいは「楽しむときは思いきり楽しみたい」でもいいです。

何か嬉しいことがあったり、予定していたことが片づいたときには、自分にご褒美のつもりで思い切り楽しめばいいのです。

だから今日は我慢ということです。

1日の時間割を守り続けることが、その楽しみに近づくことだと思い出してください。

皆の本心は「私だって時間割を守りたい!」

自分の時間割のもう一つの基本は、いちばん大切な時間をもつことです。

将来に備えて学びたいこと、知りたいこと、身につけたい技術や知識があるときには、その時間を1日の中心に据えてしっかりと守り切ることです。

そのためには、それ以外の時間がそこに食い込まないようにしなければいけません。

つまり、全体の時間割を守ることが、大切な時間を守ることに結びついてきます。

たとえば会社に勤めながらむずかしい資格を取ったり、小説を書いたり趣味の分野でお金を稼げるようになる人は、決して仕事をないがしろにしません。

たとえ目立たなくてもきちんとノルマを果たしています。

職場の評価は決して悪くないのです。

なぜなら、そうでないと自分の時間割が守れなくなるからです。

「あの人は資格試験の勉強優先で仕事の手を抜いている」と思われたら、おそらく会社の目が厳しくなるでしょう。

ノルマを増やされたり、残業は断れない雰囲気になってしまいます。

するとどんどん、自分の大切な時間が切り崩されていきます。

それでは困るのです。

だから自分のやりたいことに真剣に取り組む人ほど、1日の時間割を守るべきです。

でもこういった考え方や生き方は、誰もが願うことではないでしょうか。

「わたしだってそうしたい」とみんなが考えていることではないでしょうか。

にもかかわらず、やりたいことはあっても自分の時間割を守れないから、どんどん流されていくのではないでしょうか。

そうだとすれば、例えいましっかりした目標が見つからなくても、まず時間割を守ることから始めていいはずです。

1日のなかに、努力と工夫があれば大切な時間を確保できるんだと気づいた人は、「何かやれるはずだ」という気持ちが生まれてくるからです。