親から愛されて育った子、搾取されて育った子

●自らの条件を受け容れる

”親から愛されて育った子、搾取されて育った子”

体や経済的な不公平については、人は理解できる。
しかし心の問題での不公平については、人はなかなか理解できない。

愛されて育った人と、愛されて育っていない人との違いを理解する人は少ない。

よく、「丸太小屋から大統領へ」ということがサクセスストーリーとして好んで語られる。

アメリカで偉大になった人は皆、丸太小屋で生まれた、というようなことをいうイギリスの作家がいる。
直接読んではいないが、マーデンの著作の中にそう出てきた。

「丸太小屋から大統領へ」という物語は、外側だけを見る人には感動的であろうが、それは奇跡でも驚嘆でもない。

なぜなら、丸太小屋に生まれても、母親が「母なるもの」を持っている場合には、生きることは楽しいことだからである。
母なるものを持たない母親の子どもとして宮殿に生まれるよりも、母なるものを持っている母親の子どもとして丸太小屋に生まれた方が、はるかに幸せである。

いや、これは比較できない。あまりにも違いが大きすぎて比較はできない。
まるたごやにうまれることがてんごくであるとすれば、宮殿に生まれることは地獄である。

しかし、人は、「丸太小屋から大統領へ」という物語は好きである。
ということは、母なるものを持たない母親の子どもとして生まれることの地獄の体験を知らないからである。

人生の不公平とは、この不公平である。

親から愛される星のもとに生まれた子供と、親から虐待され搾取される宿命を背負って生まれた子供とが、同じ人間としてこの世の中に生きている。

この両者がお互いを理解することは、ほとんど不可能に近い。
おそらく、親から愛された子供は、親から見捨てられた子供を理解することまではできるだろう。
親から橋の下に捨てられ、施設で育つ子供の心の傷までは理解できるだろう。
親から単に愛されなかったというだけの子どもを理解することまではできるだろう。

しかし、親から情緒的に搾取され、虐待され、ボロボロになった子供の心の傷を理解することは難しい。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するには自らの条件を受け容れることである。

※参考文献:自分の受け入れ方 加藤諦三著

 

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