課題を冷静に分離する

それでは、あなたの就職先に関して、ご両親が猛反対している場面を想定しましょう。

父親は感情的に怒鳴り散らし、母親は涙を流して反対していた。
図書館司書なんて絶対に認めない、お兄さんと一緒に家業を継がないのなら親子の縁を切るとまで迫られたと。
しかし、ここでの「認めない」という感情にどう折り合いをつけるかは、あなたの課題ではなくご両親の課題なのです。
あなたが気にする問題ではありません。

自らの生について、あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」、それだけです。一方で、その選択について他者がどのような評価を下すのか。
これは他者の課題であって、あなたにはどうにもできない話です。

相手が自分のことをどう思おうと、好いてくれようと嫌っていようと、それは相手の課題であって、自分の課題ではない。

分離するとはそういうことです。
あなたは、他者の視線が気になっている。
他者からの評価が気になっている。

だからこそ、他者からの承認を求めてやまない。

それではなぜ、他者の視線が気になるのか?

アドラー心理学の答えは簡単です。
あなたはまだ、課題の分離ができていない。

本来は他者の課題であるはずのことまで、「自分の課題」だと思い込んでいる。

あの「お前の顔を気にしているのはお前だけだよ。」というおばあさんの言葉を思い出してください。
彼女の言葉は、まさに課題の分離の核心をついています。
あなたの顔を見た他者がどう思うか。
これは他者の課題であって、あなたにどうこうできるものではありません。

では、別の角度から考えましょう。
たとえば会社の対人関係に悩んでいる人がいたとします。
話が全く通じない上司がいて、ことあるごとに怒鳴りつけてくる。
どんなにがんばっても認めてくれず、話さえまともに聞いてくれないと。

しかし、その上司から認めてもらうことは、あなたが最優先で考えるべき「仕事」なのでしょうか?
仕事とは、社内の人間から気に入られることではないはずです。

上司があなたのことを嫌っている。しかも明らかに理不尽な理由によって嫌っている。
だとすればもう、こちらからすり寄る必要などないのです。

しかし、相手は自分の上司です。直属の上司からうとまれていては、しごとにならないのではないか。

それもまた、アドラーのいう「人生の嘘」なのです。
上司に疎まれているから仕事ができない。
わたしの仕事がうまくいかないのは、あの上司のせいなのだ。
そう語る人は「うまくいかない仕事」への口実として、上司の存在を持ち出している。

赤面症の女学生がそうだったように、むしろあなたは「嫌な上司」の存在を必要としているのです。
この上司さえいなければ、わたしはもっと仕事ができるのだと。

ここはアドラー心理学の根幹に関わる議論です。
「あの上司がいるから、仕事ができない」と考える。

これは完全な原因論です。
そうではなく「仕事をしたくないから、嫌な上司を作り出す」と考える。
あるいは「できない自分を認めたくないから、嫌な上司を作り出す」と考える。
こちらは目的論的な発想になります。

では、課題の分離ができた場合、
つまり上司がどれだけ理不尽な怒りをぶつけてこようと、それは「わたし」の課題ではない。

理不尽なる感情は、上司自身が始末するべき課題である。
すり寄る必要もないし、自分を曲げてまで頭を下げる必要はない。
「わたし」のなすべきことは、自らの人生に嘘をつくことなく、
自らの課題に立ち向かうことなのだ。そうりかいできていたとしたら。

われわれはみな、対人関係に苦しんでいます。どれはご両親やお兄さんとの関係かもしれませんし、職場での対人関係かもしれません。

そして前回、もっと具体的な方策が欲しいとリクエストがありました。

提案はこうです。
まずは「これは誰の課題なのか?」を考えましょう。
そして課題の分離をしましょう。

どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。

そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰一人として介入させない。
これは具体的で、なおかつ対人関係の悩みを一変させる可能性を秘めた、アドラー心理学ならではの画期的な視点になります。

そう、我々は今「自由」について語ろうとしているのです。

対人恐怖症、社交不安障害を克服するにはどこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。

そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰一人として介入させないことです。

※参考文献:嫌われる勇気 岸見一郎著

 

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