愛着障害を抱えている人は、青年期に迷いやすい。

たとえば、ある研究によると、13歳の時点で、愛着における不安傾向が強いほど、その後の3年間で学校の成績が下降するリスクが高かった。

大学生を対象にした研究でも、同様の結果が得られている。

多くの人にとっても、中学2年から大学2年ごろまでが、人生の中で迷いやすい時期だと言えるが、その時期は、人生を大きく左右する進路選択の時期でもある。

このアイデンティティを確立する青年期が、愛着障害の人にとっては、いっそう大きな試練になりやすいのだ。

親元で過ごした高校までは順調だったのに、大学に進学して一人暮らしを始めると、生活に行き詰り、学業でのパフォーマンスも、期待に反して低迷するということがよくある。

一方、高校まではさほどでもなかったが、大学に入ってから、支障なく自活しう、非常に伸びる人もいる。

そうした違いにも、愛着の安定度が関係しているという事がわかってきた。

不安定型の愛着、とくに不安型愛着スタイルの人は、親や慣れ親しんだ人達と別れ、自分だけを頼りに見知らぬ環境で暮らしていかねばならないという事が、強いプレッシャーとなりやすく、情緒的な混乱を引き起こすこともしばしばである。

一方、回避型愛着スタイルの人は、失敗を恐れるあまり過度に防衛的になり、思い切りよくチャレンジしたり、難しい課題に取り組むことを自分から避けてしまうので、実力が発揮されにくい。

ある研究によると、不安定型愛着スタイルの人は、大学に進むと高校時代よりも成績が下がってしまうが、安定型愛着スタイルの人には、そうした傾向がみられないという。

安定型愛着スタイルに比べて、回避型愛着スタイルも不安型愛着スタイルの人も試験の準備をあまりせず、勉強への関心も低い。

不安型愛着スタイルの人では留年の不安が強いにもかかわらずである。

回避型愛着スタイルの人では、高校から大学への移行期に、学習量や質が低下し、学年の最初の学期で成績が悪くなる傾向がみられたという。