アダルトチルドレンの回復上の課題に4ステップを使う

ここまでに述べてきた4ステップは、アダルトチルドレンからの回復のプロセスで出会う様々な問題に取り組む際に役に立ちます。

例として、子ども時代の体験のために「ノーと言う」ことが難しい場合を考えてみましょう。

それは次のようなプロセスになります。

ステップ1=過去の喪失を探る

子どものとき、どんなことでノーと言われましたか?

誰からその言葉を聞きましたか?

その体験によって、あなたは自分の価値についてどう判断しましたか?
親から大切にされているかどうかについて、どう判断しましたか?

子ども時代にあなたがノーと言ったとき、どんなことが起こりましたか?

そのことであなたはどんなふうに感じましたか?

ステップ2=過去と現在をつなげる

過去の体験は、今の生活のさまざまな分野にどのように影響していますか?

どんなとき、ノーと言うことが難しいですか?

あなたがノーと言おうとすると、どんな感情がわいてきますか?

ステップ3=取り込んだ信念に挑む

あなたの中にある、ノーにまつわるメッセージは?

そのうち、あなたの役に立つ信念があれば、自分のものとして選びとりましょう。

あなたを傷つけているメッセージは捨ててしまってください。

ノーという言葉について、肯定的な信念を創りあげてください。

たとえば「断っても相手に嫌われるとは限らない」「要求にノーと言うのは相手を拒絶することではない」「したくないことにノーと言うのは自分を守ること」など。

ステップ4=新しいスキルを学ぶ

どんなときにノーと言いたいか、はっきりさせましょう。

やさしいものから一番難しいものまで、順番をつけてください。

もっともやさしいものから、次第に難しいものへ、ノーと言う練習を重ねましょう。

次は、「自分から行動を起こすのが難しい」という問題に、4ステップを使ってみます。

ステップ1=過去の喪失を探る

子どもの時、あなたが自分で何かを始めようとすると、どんなことが起きましたか?

どんなことになるのを、あなたは怖れていましたか?

ステップ2=過去と現在をつなげる

今も行動を起こせずにいることで、生活のさまざまな分野はどんな影響を被っていますか?

もし行動を起こせたら、あなたの生活はどのように変わると思いますか?

ステップ3=取り込んだ信念に挑む

子ども時代に、自分から行動することについて、どんなメッセージを受け取りましたか?

あなたにとって害になるメッセージは捨ててしまってください。

受身のままでいるのではなく自分から行動するための支えとなるような、新しい信念を創りだしましょう。

たとえば「やってみなければわからない」「私にはきっとできる」「失敗してもそこから学べばいい」など。

ステップ4=新しいスキルを学ぶ

どんな分野でもっと自分から行動できるようになりたいか、はっきりさせましょう。

もっとも簡単(安全)なものから、もっとも難しくて恐れを感じるものまで、順番にリストアップしてください。

一番安全なものから始めて、自信をつけながら、難しいものへと移っていきましょう。

アダルトチルドレンからの回復は、急には進みません。

自分にやさしくしてください。

自分を信じ、認めてあげましょう。

アダルトチルドレンからの回復のプロセスを歩むことで、あなたは自由へと向かっているのだということを忘れないでください。

この章を読みながら、自分の通ってきた道筋が確認できた人もいると思います。

また、今から専門家のもとでアダルトチルドレンの回復を進めていく人もいるでしょうし、自助グループの中でやっていく人もいるでしょう。

それには一定の期間が必要ですが、完璧にやりとげなければと考える必要はありません。

このステップは一度最後まで行けばそれで終わりというものではなく、自分の課題に気づくたび、何度でも使えるものだからです。

ステップの意味が実感でき、自分の中である程度の手ごたえが得られたなら、インナーアダルトを育てる次の章へと進んでください。

そこでも、同じ4ステップを使います。