子どもに問題が起きているという場合、母親自身が問題を抱えていたり、行き詰まっていたりすることが多い。

母親が安全基地として機能しないために、子どもをうまくバックアップできず、子どもが躓きやすくなっている。

子どもを元気にするためには、母親が元気を回復し、子どもをうまく支えていけるようになる必要がある。

起きがちなことは母親を呼びつけて、母親のしつけや育て方に問題があると母親を非難することだ。

そういう対応をした場合、生真面目な母親はすっかり意気消沈し、自信を無くしてしまうだろう。

その結果、寝込んでしまったり、子どもに気持ちを込めてかかわれなくなってしまったりする。

上の空になったり、気のない反応を返してしまったりする。

応答性はさらに低下し、ますます安全基地とはいえなくなってしまう。

ところが、もし母親を責めるのではなく、その大変さをねぎらい、母親を支え、元気にすることができたら、状況が変わってくる。

母親は余裕を取り戻し、以前ほど子どもに当たらなくなり、子どもの状態も落ち着いていく。

安全基地となってほしければ、相手の非を責めるよりも、こちらが安全基地となって、その人の安定を図った方が、よほど効果的なのである。

問題が悪循環を起こしているときには、たいてい、それとは逆のことが起きている。

親との不安定な関係を抱えたり、夫の非協力的な態度に悩んでいたりなど、安全基地をもたない母親は、子育てと仕事の両方で切羽詰まっている。

そのしわ寄せは、母親自身も子どもにとって安全基地となれないこととなって現れる。

安全基地をもたないことが、相手にとっても安全基地となれない事態を招き、状況をこじらせていく。

愛着とは相互的な現象である。

愛着を活性化し、安定感を高めようとするならば、相手の冷たさをなじるよりも、相手にやさしくすることに努めた方がいい。

そうすれば、相手も、心に優しさを取り戻すことができる。