「意地っ張りで、こだわりやすい」

愛着障害の人の重要な特徴の一つは、過度に意地を張ってしまうことである。

それが自分にとって不利益になるとわかっていても、どうしてもそれを止められないということが多い。

非機能的な怒りと同じような意味で、非機能的な執着と言えるだろう。

自分の流儀に固執したり、否定されればされるほど同じことをしようとしたりする。

安定した愛着スタイルの人は、相手とのやり取りするなかで、相手の気持ちも考えて、譲歩したり、気持ちを切り替えたりするということを学んでいる。

そんな柔軟性は、安心できる愛着という柔らかな環境があって初めて発達する能力なのである。

ところが、不安定な愛着環境で育つと、子どもは、そうした柔らかさを身に付けられず、自分にこだわることで、自分を保とうとする。

親が不安定な愛着スタイルの持ち主の場合には、親自身も柔軟性を欠き、子どもに対して無理強いや支配的な対応になりがちなため、子どもも同じようなスタイルを身に付けやすい。

愛着障害の根が深いほど、さらに天邪鬼な反応がみられるようになる。

本当は素直に相手の求めに応じたいのだが、わざと抵抗してしまうのである。

それは、愛情を奪われたことに対する無意識の怒りの表れでもある。

重い愛着障害を抱えた少女は、その心理を次のような言葉で表現した。

「甘えたい気持ちを我慢すると、反抗したくなる」と。

意地っ張りで頑固な傾向や、反抗的で、相手を不快にさせる態度を取ってしまう傾向が大人になっても残っていることもあり、普段は抑えていても、ストレスがかかったときなどに急に正体を現す。

それは、甘えることを我慢するなかで身に付けた、裏返しの甘え方なのかもしれない。

柔軟性の乏しさは、厳格さや不寛容さにも通じる。

ある心理実験では、被験者の愛着不安を高めるために、死を意識させる操作を行ったうえで、逸脱した行動やモラルに反する行動をとっている人に対して、どういう反応を示すかを調べた。

すると、不安定型愛着スタイルの人は、自分の価値観や道徳観から外れている人に対して「厳しく罰するべきだ」という意見を多く述べたのである。

一方、安定型愛着スタイルの人は寛容で、厳しい罰を望まない傾向がみられたという。

他人の評価においても、安定型愛着スタイルの人は、与えられた予備知識がいかなるものであっても、自分が実際に観察したものによって、偏見にとらわれずに評価を下す傾向がある。

しかし不安定型愛着スタイルの人は、先入観に縛られ、感情的な反応を起こしやすい傾向がみられた。