未解決の傷を癒やす

愛着障害の人の多くが、未解決の愛着の傷を抱えている。

回避型愛着スタイルのように心を凍り付かせることでそれに向き合うことを避けているにしろ、不安型愛着スタイルのように見捨てられる不安が日々の生活を脅かしているにしろ、統制型のように周囲の存在をコントロールすることで愛着不安に対処しているにしろ、本当の意味で安定した、バランスの良い愛着スタイルを手に入れるためには、未解決の傷を修復する必要がある。

愛着の傷にはさまざまなものがある。

幼い頃に親に捨てられたこと、親と死別したこと、親と離ればなれに暮らさなければならなかったこと、親から放っておかれたり虐待されたこと、親の離婚やケンカを目の当たりにしたこと、親が自暴自棄なふるまいをしたり自殺を図ろうとしたこと、再婚などにより親の愛情が他の存在に奪われたこと、親が自分よりも他の兄弟ばかりを可愛がったこと、親からいつも否定されたこと、親の都合や期待ばかり押し付けられたことなどである。

愛着の傷を修復する過程は、それをただ自覚して認知的な修正を施せばいいという単純なものではない。

いきなり認知的な修正を行おうとしても、強いブロックがかかっているか、激しい抵抗が起きるかして、簡単に跳ね除けられてしまうことになりやすい。

また、いくら本人が前向きに認知的な修正に取り組んでも、それだけでは愛着の傷は癒されない。

認知的な修正よりも、もっと大事なプロセスがある。

そのプロセスとは、言ってみれば、幼い頃に不足していたものを取り戻すことである。