愛着は、心理的のみならず生理的な機能の発達にも関与している。

そのため、愛着障害の人は、しばしば神経過敏で、自律神経系のトラブルにも見舞われやすい。

夏目漱石は、なぜ晩年まで神経衰弱や胃潰瘍に苦しめられたのか。

太宰治は、なぜ小学生の頃から不眠症に苦しんだ末、薬物依存になり、自殺にまで追い詰められたのか。

愛着障害や不安定型の愛着スタイルを抱えた人達の生涯をストレスと病という観点で振り返れば、彼らが総じてストレスに敏感で、健康も優れず、精神的にも危機に陥りやすかったことがわかるだろう。

子どもの頃から、夜尿症や神経質といった問題が多いのもそのためだ。

それに比べて、同じ偉人と呼ばれる人達でも、安定型の愛着に恵まれた人では、ストレスに苦しめられることも少なく、タフで心身の健康に恵まれ、晩年まで元気だった人が多い。

たとえば、同じ画家であっても、安定型の愛着スタイルを示すルノワールやモネと、不安定型の愛着スタイルを示すゴッホやユトリロやモディリアニとでは、その違いは明白である。

遺伝的要因ももちろんあったであろうが、愛着スタイルも劣らず、彼らの人生と健康を左右したに違いない。