不安定型愛着も含めた広義の愛着障害、つまり愛着スペクトラム障害には回避型愛着スタイルと不安型愛着スタイルのような正反対とも言える傾向をもったタイプがふくまれるが、その根底には、おおきな共通点がある。

その共通点を知り、理解することで愛着障害の本質が自然にみえてくるだろうし、自分や周囲の人にひそんでいる愛着障害を見定めやすくなるだろう。

また、愛着障害の人に起きやすい病的な現象やそれが起きるメカニズムも合わせて見ていくことで、不可解に思われていた奇妙な行動や習性についても、その理由が府に落ち、愛すべき特性と思えるようになるかもしれない。

また、愛着障害がもつ素晴らしい能力とパワーについてもみていこう。

「親と確執を抱えるか、過度に従順になりやすい」

大人の「愛着障害」を同定するためのもっとも信頼の高い検査法に、成人愛着面接がある。

それが検査対象とするのは、親との愛着が安定したものとして、その人に統合されているかどうかということである。

友人や同僚、配偶者、恋人ではなく、親との関係の安定性や統合性を問題にするのは、それが愛着障害を発見するうえで、もっとも感度が高い指標だからにほかならない。

一見安定した対人関係を保っているケースでも、親との愛着が不安定な場合、そこには愛着障害がひそんでいて、ストレスがかかったときなどに、不安定な面が他の人との関係でも表面化しやすいと考えられる。

親との関係をみるうえで重要なのは、愛着に問題がある場合、親に対する敵意や恨みといったネガティブな感情、あからさまな確執や軋轢だけでなく、過度の従順さや良い子としての振る舞いといった形で親に奉仕しようとすることも多いことである。

また、両方の感情や行動が、両価的に混在していることも多い。

関係がうまくいかない局面になると、否定的な感情が噴出し、かんけいが急に悪化したりする。

もうひとつ重要なのは、親の期待に応えられない自分をひどく否定したり、責めることである。

親を否定している一方で、親から認められない自分を、ダメな人間のように考えてしまう傾向がみられやすいということである。