今の自分を受け入れるためには―過去のこだわりを捨てる

愛着障害を抱えている人の根本には、「ありのままの自分を受け入れることができない」
という課題がある。

そしてそれを乗り越える訓練として、マインドフルネスや瞑想をすることも助けになるのであるが、やはりここでも大きいのは、「親が今の自分を受け入れてくれているかどうか」なのである。

愛着修復的アプローチにおいて、親の見方を変える働きかけに力を注ぐのは、そのためであり、実際、親がかかわり方を変えることで、投げやりだった気持ちが前向きに変化することは多いのである。

ことに親が、かつてその人にかけた期待にこだわり、その人の現状を否定的に見ている場合には、現状を親が肯定的に受け入れることができるようになるだけで、その人自身も今の自分を受け入れられるようになる。

そうなって初めて、「もう頑張っても仕方がない」と思っていたのが、「自分なりに少しずつやってみようか」と思えるようになるのだ。

しかし、親がなかなか変われない場合もやはりある。

親が変わろうとしようがしまいが、最後にはその人自身が、「かつてのプライドやこだわり」を捨てることができるかどうかである。

一流大学を出て、優秀だった人でなくても、それなりに能力があり、プライドもある人の場合には、自分の現状を期待外れと感じてしまうと、なかなか受け入れることができない。

「自分が期待するレベルのことができないのであれば、もう何もしたくない」と思ってしまい、投げやりになることも多い。

そこでやはり効いてくるのが、「どん底を味わった体験」なのである。

軌道を大きく外れ、「もはや自分の人生はこれまでか」と思うような絶望的な状況を身をもって味わうことによってそれまでとらわれていたプライドや価値観を捨てることができるのである。

だからこそ、ピンチはチャンスなのである。

そこそこうまくいっているときには、人間は変われないし、大きな成長もない。

行き詰まったときこそ、変われるチャンスなのである。