狭い意味での愛着障害は、特定の愛着対象に対する選択的な愛着形成が損なわれた状態である。

つまり、誰にもまったく愛着を感じないか、逆に、誰に対しても親しげに振る舞うかということである。

後者の場合は、一見問題がないように思えるが、もう少しよく考えてみると、深刻な問題を抱えていることがわかる。

誰にでも愛着するというのは、特定の愛着対象を持たないという点で、誰にも愛着しないのと同じであり、実際、対人関係が移ろいやすいといった問題を呈しやすい。

対人関係、こと恋愛関係において、誰に対しても同じような親しさで接すれば、トラブルや諍いの原因になるし、信頼関係の維持も困難にする。

不安定型愛着スタイルを含む広義の愛着障害では、その程度は軽くなるが、本質的な傾向は同じだと言える。

特定の人との愛着が十分に安定しているとは言えないのである。

親密な関係が育ちにくい場合もあれば、たちまち親密な関係になるものの持続性がなく、すぐに冷めてしまったり、別れてしまうという場合もある。

いずれにしろ、特定の人との信頼関係や愛情が長く維持されにくいという点では共通している。