覚えておいてください、アダルトチルドレンの回復には時間がかかります。

ずべてを今日のうちに片付ける必要はないのです。

あなたがいったん、自分の不安や怖れを他の人に語り始めれば、もうそのような感情に圧倒される感じはしなくなるでしょう。

感情というのは、否認したり、切り捨てたりした末に積み重なっていったときに限って、自分を傷つけるものになるのです。

癒しが始まった段階では、感情はさまざまな背景から浮かび上がって来て、中には互いに相容れないものものもあるでしょう。

悲しみと幸せを同時に感じるかもしれないし、悲しみと怒り、愛と憎しみが一緒に出てくることもあります。

どんな人でも、相反する感情を同時に感じることがあるのです。

あなたは正気を失ったわけではありません。

単に悲しいけど幸せだったり、悲しくて怒っていたり、愛しているし憎んでもいる、というだけのことです。

感情の深さにも理由があることを信じて下さい。

大切なのは、あなたがその感情について語れるようになること、それを誰かの前で表現し始めるということです。

感情がどこからくるのかわかっていなくてもかまいません。

ただ口を開いて、「私は悲しい。何が起きているのかわからないけれど、悲しい気持ちなんです」と言えばいいのです。

自分の気持ちに気付いて、言葉にすればするほど、その感情がどこからくるのかをたどることができるようになります。

最初のうちは、痛みに圧倒されそうな感じがするのがふつうです。

けれども、あなたが痛みをきちんと認め、自分のものとして受け止めることで、つらさは過ぎ去ります。

重要なのは自分を支えるしくみをつくっておくこと、定期的に自分の感情について語れる相手を持つことです。

内に秘めておくよりも語ることで、感情の威力を発散することができます。

他の人に確認してもらうことで、痛みもやわらぎます。

過去から積もり積もった感情を体験し始めたなら、そのまま十分に感じて下さい。

痛みが激しいからといって、なんとか調節しようとしたり防衛しようとすると、かえって痛みを長引かせます。

感じることを自分に許してください。

感情を自分のものとして受け止め、その感情とともにいてください。

あなたが感じているたくさんの感情は過去から積み重なったもの―かつては感じることが安全ではなかった感情―だということを忘れないでください。

だから時間はかかりますが、セラピーや自助グループの中でこの作業をやりとげて自分を発見した人達の経験では、六か月から八カ月ほどで痛みがずっと楽になっていることに気づくはずです。

こうした強烈な感情に襲われている間は、外からのストレスが少なくてすむよう慎重に配慮する必要があるでしょう。

新たな責任を引き受けるのにふさわしい時期ではありません。

むしろ自分のために十分時間をとってください。

傷つきやすくなっている時期だということを心にとめて、自分にやさしくしてあげるときなのです。

このプロセスを通って、失ったものはもう決して得られないと認めることが必要です。

子ども時代にわずかな望みをかけて必死に描いた理想が現実になることは、ありません。

今のあなたなら、自分のニーズを自分で満たすことが十分できますが、いくら悲しみを表現したとしても「あのとき」を完全に消し去ることはできないのです。

そう悟ることで、失われたものに対して感情を注ぎ込む努力からついに手を引くようになり、喪失を受け入れて、回復のプロセスを先へと進み始めるでしょう。

過去を探り、喪失にともなう痛みを癒やすことは回復に欠かせませんが、第一のステップを終えて次に進むことも同じぐらい重要です。

そうでないと、あなたはここから動けなくなり、やがてそれは癒しのプロセスではなく誰かを責めるプロセスになってしまいます。

子ども時代について語ることは、生き方のコースを変えるための答えのすべてではありません。

これは自分自身と他者について多くの洞察と気付きを得て、理解していく時期にあたります。

希望のときであり、私達にはたくさんの選択肢があることを知るときなのです。

ここで得た新しい気付きをもとに、次の三つのステップにとりくまなければなりません。