絶対に目標の奴隷にはならない

どんなにささいなことでも、それが自分にとって重要だと思えば、絶対にないがしろにはしてはいけません。

もちろん目標達成にも徹底的にこだわり、必死にがんばります。

しかし、目標にだけ目を向けていると、もっと大事な目的を忘れてしまうことがあります。

どんなときも「なんのために」という「目的」は見失わないようにしましょう。

目標は、目的を達成するためにあります。

絶対に目標の奴隷になってはいけません。

毎朝、目的と目標の両方を見ることを習慣にしましょう。

とくに、仕事に打ち込みすぎると家族とのバランスを保てなくなってしまうことがあります。

あるビジネスパーソンの悩みです。

「毎晩、遅くまで働いています。なかなか家族と一緒に過ごす時間をもてません。すれ違いばかりです。自分でも、もっと家庭を顧みなければいけないことはわかっています。
しかし、どうしても忙しくて時間が取れません。どうしたらよいでしょうか?」

答えは単純です。

本人の言う通り「まず、家庭を顧みること」です。

長時間働いても結果が出ていないのは、何か問題があるからでしょう。

扱っている商品、仕事の手順、内容、もしくは方法自体がおかしいのかもしれません。

いずれにしても一度、客観的に仕事全般を見直す必要があります。

忙しいからといって、「家庭を顧みない」ことを正当化してはいけません。

必ず家族のために何かできることがあるはずです。

朝早く起きて、子どものためにご飯をつくる。

ゴミを捨てる。

食器を洗う。

洗濯の手伝いをする。

月に一日でも、公園で子どもと一緒に遊ぶ時間を取る。

「家庭を持った以上は、その責任を果たすべき」だと思っています。

それが誠実さではないでしょうか。

自分は、家族、友達、社員、取引先、周りの人に支えられ、生かされている。

感謝、誠実さ、真心を大切に生きていけば、仕事の忙しさは、自己中心性の現れだと気づくでしょう。

「がんばっているけれど、何かがおかしい」。こう思ったときは、黄色信号です。

「目的」に立ち返ってみましょう。

大切な人のために、毎日必死に努力を重ねながら、いつしか目標に生きてしまっている。

こうした状況をハツカネズミ現象と呼びます。

自分で気づかないうちに「カランコロン、カランコロン、カランコロン、カランコロン・・・」と心臓が壊れるぐらい、ただひたすら車輪の中を走り続けてしまうのです。

目標の奴隷になるとバランスを失います。

達成が人生の目的ではありません。

なんのために達成するのかが大切です。

もちろん、人生では勝負を賭けなければならない時期があります。

人付き合いが苦手な人がスピーチする場面などです。

逆説的ですが、感謝の心は苦労すればするほど培われます。

感謝の心があれば、目的を見失わず、誠実な生き方をするはずです。

何事も目的に沿った行動を行いましょう。

計画にある程度の余裕をもたせることも必要です。

いつも予定どおりにうまくいくとはかぎりません。

だから、あらかじめ週の半ばや週末に「計画を見直すための時間・調整するための時間」を設けておき、不測の事態に備えましょう。

こうした「見直しタイム」は、精神的な余裕を生み出し、「今日やるべきこと」に集中できるようになります。

「見直しタイム」を入れることで、仕事や勉強にメリハリがつき、毎日新たな気持ちで会社や学校に臨めると言います。

目標は、目的のためにあります。ときどきこのことを思い出して、自分の生活を振り返ってみるとよいでしょう。

高すぎる目標は自己肯定感を下げる

最初から完璧を求めない。高すぎる目標を設定しない。目標達成をめざす際は、まず、自分がコントロールできる領域から取り組んでみましょう。

100メートルを15秒台でしか走ったことのない人が、いきなり10秒で走ることはできません。

登山でも同じです。

いきなりエベレストに登ろうとする人はいません。

いまの自分がやり遂げられそうなところを目標に、確実に実行して、まずひとつ成功経験を積む。

その経験をもとに少しだけ高い目標を設定し、さらに成功を積み上げる。

これが自信形成の鉄則です。

しかし、最初から高すぎる目標を立て、自分でストレスを溜め込んでいる人が数多くいます。

本人は気づいていないのかもしれませんが、高すぎる目標が理想の人生と現実に大きなギャップを生み出しているのです。

人は、「理想に近づいている」と思えるときに自己肯定感が上がります。

しかしギャップを見て、「自分は到底理想のレベルにおよばない。いくら求めても無理」と思ったとき、自己肯定感は一気に下がります。

他者評価ではなく、自己評価で自信を下げてしまうのです。

こうなると理想の人生からどんどん外れていってしまいます。

最初は、小さな目標からスタートして、「できた!」「また、できた!」「ああ、またできた!」といった具合に、だんだんと目標のレベルを上げていき、小さな自信を大きな自信に変えていくことが自己実現へのプロセスです。

高い目標を立てて、それに向かってがむしゃらに突き進むことができるのは、成功体験がある人だけです。

最初から、そうした人たちを真似しても成果は期待できません。

まず成功パターンをつくることに注力する。

そうすれば自信を形成することができます。

完璧主義、完全主義。

これほど愚かなことはないと思っています。

人は誰もがミスをします。

この世に完璧・完全な人間などいません。

そもそも失敗は失敗ではなく、「経験」あるいは「キャリア」です。

だから、もし部下がミスをしたときは精一杯やっていると感謝する。

憤慨するのではなく、感謝の心をもつべきでしょう。

人間とは不完全な存在である。

このことに気づいたときにはじめて、人は健全な自己肯定感をもつことができます。

多くの人が、「完全でないとダメだ」「完璧でないとダメだ」と間違った思い込みをしています。

だから、いつまで経っても自信をもてないのです。

人間は不完全、そういう生き物。

完璧・完全はありません。

だから、他人にも完璧や完全は求めないし、自分にも求めない。

できることしかできない。

こう言ってしまっては、身も蓋もありませんが、これが真実です。

人は完璧にはなれません。

完璧・完全主義では、思い込みの中でストレスを溜めてしまいます。

不完全だからこそ不完全さを補い合う。助け合う。

お互いにできることを精一杯努力する。こうした生き方が心を軽くしてくれます。

「誰かに任せておけばいい」こうした依存心をもってしまうとミスは増大します。

かといって、すべてを自分で完璧に成し遂げようとすると、そのことだけで頭の中がいっぱいになり、思うような成果がでません。

だから、結果的に自己肯定感が下がってしまう。

100点満点主義ではなく、上位2割のことに集中して80点を狙い、それで「よし」とする。そんな生き方を心がけましょう。

目標を達成したら自分をほめてあげる

目標を達成したら自分をほめてあげましょう。

自分で自分を承認することは、自信形成においてとても重要です。

成功に対するご褒美を自分のプレゼントする。

すると、それが事実として自分の記憶につながります。

戦利品を見たときに、かつて体験した快感感情が蘇り、自分にプラスのエネルギーを与えてくれます。

小さな目標を達成したら、「今夜はちょっと贅沢してステーキを食べに行こう」とか「あれそれを買いに行こう」など、こまめに自分や周りの人にインセンティブを与えるのもよいでしょう。

これまでに自分がやってきた「道のり」を振り返り、成し遂げたことに達成感を味わう。

これがあなたの自信につながります。

「1週間を振り返り、成長の足跡を確認する」や「成長リストを作成する」のもそのためです。

「メダルの色は、銅かもしれませんけれども・・・、終わってから、なんでもっとがんばれなかったのかと思うレースはしたくなかったし、今回はそう思っていないし・・・、はじめて自分で自分をほめたいと思います」

アトランタオリンピックの女子マラソンで銅メダルを獲得した有森裕子選手のコメントです。

これはほんとうにいい言葉でした。

あの一言は「ほんとうによくやった」と自分で自分を承認できた人だけが言えることです。

自分で自分をほめる。

自分で自分に期待する。

自分のよい面だけを考えて、心にプラスのイメージを描く。

これによって人は最高の人生を送る事が出来ます。

メンタルが不調な時は身体を動かす

どうしても気分が乗らない、やる気が出ない。

このようなときには、メンタルではなく、フィジカル(身体や行動)にフォーカスするとよいでしょう。

メンタルにメンタルよりも、メンタルにはフィジカルです。

やはり人間は身体が資本。

フィットネスクラブに行ったり、ジョギングをしたり、散歩をしたり、ストレッチをしたりするなど、身体を動かしましょう。

停滞していた気分が解消され、やる気が戻ってきます。

自分に対して「期待の法則」を使うのもよいでしょう。

自分のやりたいことに多くの時間を割けるよう、うまく仕事や勉強の段取りをつけて仕事が終わったあとの楽しみを期待しながら、今、目の前の仕事や勉強に集中するのです。

おいしいご飯を食べに行く、大好きな映画を見に行くなど、楽しみを計画して、うまくモチベーションを引き出しましょう。

物事がうまく進まず、嫌な気分になってきたときは、早めに気分転換しましょう。

お茶を飲んだり、何かを食べたり、場所を変えたり、時間をずらしてみるのも効果があります。

無理をすると、結果的にネガティブな要素を引き出すことになるからです。

モチベーションが下がり、自分の力ではどうしようもできなくなります。

それでもダメなときは早めに寝てしまいましょう。

そして次の日に早く起きて、自分の目的・目標に立ち返る。

一晩ぐっすり眠ると気分もすっきりして、「今日はがんばろう」という気持ちになります。