発達障害も、改善のカギは愛着の安定化

今日、家庭でも学校でも身近な問題となり急増しているとされるのが、発達障害である。

晩婚化や出産の高齢化以外にも、近代的なライフスタイルに、発達障害を増加させる要因がひそんでいるようだ。

虐待が増えているが、重度の愛着障害によっても発達障害と見分けのつけにくい状態が生じることから、虐待に伴う愛着障害の増加も、発達障害の増加の一因になっている可能性がある。

発達障害の場合に、しばしば問題とされるのは、診断はされたものの、その後の手当てやフォローがないということである。

発達障害は遺伝的要因が強い障害だと考えられているので、治療がそもそも難しいとされている。

まだ幼いうちであれば、療育を受けることで改善が期待できるとされるが、そのような療育方法が改善に有効かについては、まだよくわかっていないのが実情で、試行錯誤しながら、さまざまな試みがなされている。

遊びの中で自然に身に付けさせるのがいいという人もいれば、多少無理にでも教え込む必要があると考える人もいる。

四つん這いで歩くのが最も有効だと考える人もいれば、ピョンピョン飛び跳ねてバランスをとるのがいいという人もいる。

専門家の意見もまちまちだ。

だが、ある意味、何をするかよりも、もっと大事なことがあるのかもしれない。

それは、「子どもが楽しんでやっているか」ということと、「療育の担当者やその場所が、子どもにとって安全基地となっているか」ということである。

大きな進歩が見られたケースを見返してみると、この二つが満たされているように思う。

この二つの特徴は、もしかしたら、同じ一つのことなのかもしれない。

経験的にいえることは、母親や父親との愛着が安定している子どもほど、たとえ発達障害があっても、その後の社会適応において困難が少ないということだ。

両親と安定した愛着を育むことが、療育や障害のトレーニング以上に、その子を守ることになる。

そして療育やトレーニングの効果も出やすいのである。

療育やトレーニングに通う効果の一部には、母親と一緒に手をつないで通い、母親に独占的にかかわってもらえることもあるのかもしれない。

だとしたら、せっかく療育に通っても、母親が子どもに対して上の空であったのでは、効果が削り落されている。

もっと年齢が上がった大人の発達障害のケースも、今ではあふれているが、彼らの社会適応を改善する上で大事なのも、愛着の安定化である。

障害自体がまったく変わらなくても、安全基地となる存在がうまく機能するかしないかで、別人のような違いが生まれる。