大部分の人間関係は、自分で求めてできたものではありません。
本来の目標に附随してできたものです。
たとえば、クラスメイトは、勉強するために学校に入ったことに附随してできたものです。
会社の同僚とは、自分が会社と労働契約をかわし、入社したことに附随してできたものです。
夫の親戚は夫との結婚したからできたものです。
いずれも人間関係が本来のものではありません。
本来のものは学習することであり、仕事であり、夫との生活です。
これをこそ大事にすればよいのです。
ところが人間関係に悩む人は、人間関係を第一義に考えてしまっているのです。
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仕事よりも付き合いに神経をつかってしまいます。
じつに馬鹿馬鹿しいことです。
国際化の波のなかで、生き残りのために、企業はますます効率化を求めるようにならざるをえません。
このために、実力よりも人間関係でのしていこうとするような人は敬遠されるようになるでしょう。
多少アウトサイダーでも、会社に利益をもたらしてくれる人の方を評価する傾向が強まるでしょう。
もともと附随的な人間関係を大事にするのではなく、本来の課題をこそ大事にすることです。
会社であれば、仕事です。
仕事を誠実に行い、常に自分であろうとすること。
ただそれだけです。
その結果が受け入れられようと受け入れられまいと、それは自分でコントロールできることではありません。
したがって、それは気にかけても仕方がないことなのです。
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私達は、自分が正しければ、それで他の人を動かせると考えがちです。
道理を尽くせば分かってくれるはずだと頑張り抜いた結果、浮いてしまい、結局、疲れきってしまうことがあります。
しかし、誠意と道理ではたらく人は、全体の三分の一しかいないと考えるべきです。
あとの三分の一の人は誠意でも道理でも動きません。
他の人の誠意や道理にこだわらず、自分の利益を優先して考える人です。
残りの三分の一は、多数派につく人々です。
相手にするのは、誠意と道理の通じる三分の一の人だけでいいのです。
この三分の一の人々を動かすことにより、多数派への動きをつくり出すことです。
誠意も道理も通じない三分の一の部分を相手にするのは徒労です。
相手にしないことです。
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ただし、このように割り切りながらも、私達は常に謙虚さを保持しておかねばなりません。
それは、誠実さと考えるものは人により違いがあり、また、道理は立場によって異なるからです。
ところが、私達は自分以外の立場からものごとを見ることがなかなか困難です。
このために、相手の立場からは誠意であり、道理であるものを、こちらが受け入れないという可能性もあります。
第二に、「格」が違いすぎると、私達はその人の良さがわからないものです。
論文の審査でも、レベルが違いすぎると、たとえ専門領域が同じでも、まったくピントはずれの評価がなされてしまいます。
このためある人の行動や話の道理が理解できない場合には、格の違いでわからないのかもしれない、と自戒するようになるかもしれません。
「シンプル・イズ・ベスト」という言葉があります。
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人間が生活していくと必然的にごてごてと物がたまります。
それらを整頓するために時間をとります。
生活を楽しむための空間も奪います。
このため私達は、ときどき不要な物を捨てて整理します。
人間関係も同じです。
放っておけば、ごちゃごちゃと関係が増えるだけです。
時には整理する必要があります。
不毛で苦痛なだけの人間関係はきっぱりと断ち切るべきです。
同様に不毛な会合には出席しないことです。
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不要な会からは脱退することです。
次のような人との関係は断ったほうが賢明です。
なお「人」を「会合」と読み替えれば、会合の取捨選択にも適用できます。
・気持ちをむしゃくしゃさせる人
・いつでも自分の思う通りにする人、巻き込む人
・会っている時よりも、別れた時の方が気持ちがほっとする人
・愚痴が多い人
・悪口を言う人
・他の人を利用するだけの人
・裏切る人
・やる気を奪ってしまう人
次のような関係は続けたほうがよいでしょう。
・ほのぼのとした気持ちにさせる人
・勇気づけたり、エネルギーを与えてくれる人
・その人の前で素直な自分でいられる人
・明るく前進している人
・学ぶことが多い人
・自分の価値を認めてくれる人
腐れ縁の仲間から抜けたいのにずるずると抜けられない。
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それで一人で孤立している人をむしろうらやましく見ている。
そんな人もいます。
成長することとは、古い人間関係を捨てて、新しい人間関係に移っていくことでもあるのです。
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古い人間関係で残すのは、残すに値するものだけでよいのです。