私たちは悲しくなると、誰もそばにいて自分を慰めてくれないのではないかと怖くなります。
周りの人は目の前から立ち去るか、あるいは自分の弱みにつけこんでくるのではないかと。
喪失には悲しみがともない、悲しみには涙がつきものです。
しかし、泣き始めたら二度と泣き止むことができないのではないかと不安に感じたりするものです。
あるカウンセラーはクライアントと面接する際に何度も、「あまりに泣き過ぎるからといってこの部屋から放り出された人は、一人もいません」と繰り返してきました。
あなたが泣いている時間は永遠のように思えるかもしれませんが、実際はほんの数分です。
激しく涙にくれる時間というのは、たいていは三、四分続くだけだし、長くても九分か十分です。
たぶんあなたは自分のことをぶざまに感じ、恥ずかしさや不安を感じるでしょうが、それは泣くことに慣れていないからで、あなたは死にはしません。
正気を失うこともありません。
人が感情的に傷つきやすい状態にあって、つらい気持ちを感じたくないと思うとき、たいていは呼吸がとても浅くなります。
お腹で息をするのではなく、胸が上下します。
やがて耳の後ろに痛みを感じ、なんだか耳から呼吸しているかのように思えてきます。
そんなふうになったら、ゆっくり、深く息をすることが大切です。
自分の呼吸を確かめ、深呼吸してください。
泣けば、顔が赤くなります。
涙が鼻からポタポタたれます。
誰だって、泣けばそうなるのです。
けれど徐々に、解放感を感じます。
今までのように自分をガチガチにコントロールしていなくていいのだし、そう思うことで楽になるはずです。
泣き終わったとき、あなたは自分が背負っていた重荷が少し軽くなっていることに気づくでしょう。