時には喧嘩になるくらい本音をぶつけてみる

良友は口に苦し

一般に、独立心の強い男性に比べて、女性のほうが親密な友達関係を築きやすいようです。
中・高校生の男子が同性の友達と手をつないだり腕を組んだりして歩いているのは気味が悪くても、女子ならばべつにおかしくありません。
女性同士のほうが男性同士よりも密着した距離をとりやすいのです。
心理的距離についても同様のことがいえます。

でも、密着して一緒に動いていればよいというものではないでしょう。
真に深い関係とは、ときに距離をおいて別の視点から相手を批判することがあってもビクともしないようなものでなくてはなりません。

その点、女性同士の友達関係はどうでしょうか。
相手に同情し、賛意を表し、慰めて、というように同調する形で励ますことはできても、意見を戦わせ、批判しあいながらお互いを高めていくという形はとりにくいということはありませんか。

ほめることで力を与えるのも大切ですが、責めることで新たな力を見出させることも同じく必要なことです。
同調されるばかりではみえないものが、批判されることでみえてくることがあります。
感情的になりがちな女性には、誰も批判的な意見をぶつけてくれません。
良薬口に苦しというように、ほんとうにためになる友達は、必要とあらば辛口の批評をぶつけてくれるものです。
楽しい雰囲気を壊したくない、良好な関係を維持させたいからと遠慮しあう関係は、ほんものとはいえません。

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喧嘩できない人が本音を言うチャンス

自分と違うタイプの人を遠ざけてはいけない

自分を活かす生き方にはあたたかい心の交流と同時に、本音のぶつかり合いがあります。

お互いのプライドを傷つけないように、意見の対立しそうな話題は避けるようにしている、お互いのプライバシーを尊重するためにあまり突っ込んだ話はしないようにしているなどという者には、ちょっと抵抗があるかもしれません。
でも、深い関わりのなかで、ときに対立して大きく揺さぶられるような経験をして、はじめてみえてくるものがきっとあるはずです。

これまで自分がもっていなかった視点を取り入れることで、人は成長していきます。
そうした新しい視点に気付かせてくれるのが他人です。
プライバシーだプライドだと自分の回路を閉じていては、せっかくいろいろな他人と出会えても、何も吸収できません。

とくに防衛的な構えをとりがちな女性は注意してください。
自分と違ったタイプの女性をみると、「ああいうタイプは嫌い!」と感情的に遠ざけてしまう傾向があります。

自分と考え方・感じ方が正反対な人というのは、誰でも苦手なものです。
でも、ちょっと気になる存在でもあるはずです。
そんな異質なタイプの人を鏡にすると、自分の特徴がより鮮明にみえてきます。

誰でも自分を理想化していたいものです。
異質なタイプを遠ざける気持ちの背後には、ありのままの自分に直面するのが怖いという心理が働いているのです。

魅力アップのために鏡に向かってお化粧することも大切ですが、他人という鏡を通して自分を直視し、内面的魅力を高めることも怠らないようにしましょう。