アダルトチルドレンと硬直性

厳し過ぎる家庭では、親たちはしばしば独善的で硬直的な考え方をします。

「物事は常にこうあるべきで、例外などない」というわけです。

権威に歯向かうことは決して許されず、子どもは親の意見や考えに黙って従わされているだけなのです。

家庭での決まり事も、子どもに課される役目も正当性を欠いていて、親は子どもにあまりに非現実的な期待をします。

子どもが健康に育つためには、「ほどほどの秩序」と「ほどほどのいい加減さ」が必要です。

毎日が危機の連続であるかのような混沌とした家庭には「ほどほどの秩序」が存在しません。

逆に厳格すぎる家庭では、「ほどほどのいい加減さ」が失われ、〇〇すべきという硬直的なルールが支配しているのです。

けれど硬直性は、厳格な家庭だけにあるのではありません。

何らかの問題を抱えたあらゆる家庭に共通のものです。

たとえば家庭の誰かが飲酒やギャンブルなどの問題を抱えていると、他の誰かがその問題を何とかしようとして、硬直的なルールを作り出します。

「問題を外に漏らしてはいけない」というルールかもしれないし、「常に努力して正しくあるべきで、問題を起こす人は間違っている」というルールかもしれないし、「常に努力して正しくあるべきで、問題を起こす人は間違っている」という考え方かもしれません。

あるいは、家族全員が父親を怒らせないように神経を研ぎ澄ますという暗黙のルールができあがる場合もあります。

混沌とした家庭でも、子どもの心の中には、「どうせ誰もわかってくれない」「我慢するしかない」といった硬直的なルールが作られます。

硬直したルールのもとでは、自分からすすんで考えたり行動したりすることが許されず、自分なりの価値観を育てることも難しくなります。

そこには「話すな」に加えて「質問するな」「考えるな」のルールがあるのです。

そして、おとなになっても融通のきかない考え方をすることが多くなります。

他の選択肢が思いつかず、これしかないと信じこんでしまうのです。

●あなたが硬直的なルールのもとで育っていたら、それはどんなルールか、自分にどんな影響を及ぼしてきたかを書き出してみましょう。