本来の目的に集中する

本来の目的に集中するとは

本来の目的に集中する心理

私たちは何かをするとき、本来の目的以外のことに関心が向いてしまい、そのために不必要な重荷を背負ってしまいます。

たとえば、プレゼンテーションしなければならないとき、「失敗したらどうしよう」「質問にうまく答えられないのではないか」「レベルが低いと思われるのではないか」など、いろいろなことを考えてしまい、不安になります。

仕事のことで上司に報告しなかればならないとき、「落ち度を指摘されるのではないか」「叱られるのではないか」などと恐れてしまいます。

雑談するときでも、周囲の人の感情だけでなく、自分がどう思われているかを気にします。

ゲームをしていても、「自分が勝ったら相手が気を悪くするんじゃないか」「ここでこの手を使ったら意地の悪い人と思われるんじゃないか」などと気になってしまいます。

ですから、その場、その時に、「本来の目的とはなにか」を確認し、「本来の目的に集中しよう」と心がけることです。

本来の目的だけに集中しようとすることで、余計な心理的負担から解放されます。

また、「とても無理だ」とか「絶望的だ」と感じられたことでも、取り組みの端緒が見えてくることがあります。

さらに、本来の目的だけに注意を集中すれば、持っている力を十分に発揮することが可能になり、その積み重ねが自信へとつながっていきます。

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本来の目的の確認

本来の目的とはなんでしょうか。

雑談の目的は楽しむことです。

話の内容の価値や論理は二の次であり、大事なのは共感しあうことです。

ですから、ただなにかが話されていればいいのであり、それによって楽しさやくつろいだ雰囲気を楽しむのです。

ところが、雑談が苦手な人は、自分が評価される場のように感じています。

そのために、うまくしゃべることができないのではないか、と心配してしまいます。

また、重要な情報でなければ話す意味がないかのように思っています。

そんなことはないのです。

自分なりにしゃべればいいのです。

しゃべるのがつらいなら、聞き役に徹してもいいのです。

雑談においては、とにかくその場を楽しもうとすることです。

あなたが楽しげにその場にいるだけで、他の人にとって十分なのです。

「カラオケに誘われるのが苦痛。点数評価が表示されるのは最悪」と言う人がいます。

カラオケは、歌のうまさを競う場ではありません。

自分で心地良く歌えばそれで良いのです。

皆自分の歌に酔っていて、他の人の歌など聞き流しています。

会議もまた、能力を評価するための場ではありません。

自分の優秀さを示す場でもありません。

みんなで知恵を出し合って、最善の策をたてる場であり、意思を統一する機会です。

ですから、そうした目的に反しないようにすることだけに集中すればいいのです。

大勢の前でプレゼンテーションするときには、多かれ少なかれ評価されます。

でも、自分が評価される場だという思いが強すぎると、過度のプレッシャーになり、力を発揮できません。

失敗は絶対に許されないという気持ちが強くなり、発表後もうまくいかなかった点ばかりが気になってしまいます。

プレゼンテーションの本来の目的とは、伝えるべき内容を聞き上手にわかりやすく説明するということです。

このことを確認すれば、自分を防衛したり、自分を誇示する必要はないのだということがわかります。

わかりやすく説明するためには、どのように話の展開を組み立てればよいか、どのような図表や資料を提示するかということに気持ちが集中します。

人前でスピーチするのに慣れている人でも内心は緊張しているものです。

あるところに、国や県のいくつかの審議委員を務める、ものすごくスピーチ上手な人がいました。

いつでも悠然と、笑みを絶やさず、ときに笑いをとりながら、ときに声を低く抑えて聞く人を誘い込むように話すなど、その人のスピーチの後は誰もが「ほー!」と感嘆のため息を漏らすほど、心地よい感じがしたものでした。

他人からするとその人の緊張など少しも感じられなかったのですが、本人は「いえ、いえ、いつもとても緊張していますよ」と答えたものでした。

「でも、余計なことは考えず、今、自分が言うべきことは何かを考えているだけです」と話していました。

余計なことは考えないこと。

そのために、本来の目的を確認して、それだけに集中しようとすることです。

一生のうちに何回かは、結婚式でスピーチの機会がある方もいることと思いますが、このスピーチの目的は、二人への祝福の気持ちを伝えることです。

このことを確認すれば、自分が緊張しているのをいかに隠すかなどということは問題にならないことがわかります。

「暗記して言わなければ」などとこだわる必要もありません。

祝辞を書いていって、それを読み上げる形で行えばとても楽な気持ちでできます。

「あがってしまってお祝いの気持ちをうまく伝えられないので、お二人に贈る言葉を書いてきました」と、最初に率直に言ってから、読み始めればよいのです。

わざわざ書く手間をとってくれたということで、あなたの誠意がきっと伝わるはずです。

●まとめ

「本来の目的はなにか」を確認しよう。
「本来の目的に徹する」と決意しよう。
「本来の目的だけに集中する」と、何度も頭の中で繰り返そう。