自己実現をすると生きるのが楽になる
「その人の人生=先天的特質×環境×本人の選択」
「先天的特質」とは、その人がもって生まれた気質や性質のことです。
ここには両親によって育まれた自己愛や自己イメージも含まれます。
「環境」とは、いまあなたが身を置いている場所から受ける影響や環境要因のことです。
家庭や職場がその代表的な例でしょう。
最後の「本人の選択」とは、自分の意思で何かを選び取ることを指します。
言うまでもなく、人生は選択の連続です。
瞬間、瞬間の選択があなたの人生をよい方向にも悪い方向にも導きます。
ここで「人生の方程式」を取り上げたのは、「自分の人生」は自らの力で後天的に変えられるということを知ってもらいたいからです。
両親の仲が悪いと健全な自己愛や自己イメージをもちにくいです。
子どもは親を選べません。
ですから、親の影響を受けて、いま「自信がもてない」もしくは「自己肯定感が低い」のは仕方のないことです。
しかし、大人になれば自分で環境は変えられますし、自分の意思で物事を選べるようにもなります。
つまり、「人生の方程式」のうち「先天的特質」以外の2つの項目「環境」と「本人の選択」は自分自身で選ぶことができます。
自信や自己肯定感は、自己訓練を積むことによってどんどん高まっていきます。
自己訓練とは、自分の選択に責任をもつ環境下で経験を重ねることです。
自己訓練を通じて味わう「恥ずかしさ」は、自信や自己肯定感のエネルギーになります。
恥ずかしさを自分の力で乗り越えることで、自己信頼感が高まるからです。
ところが、多くの人が恥ずかしさを前にくじけてしまう。
苦しい状況から、ある人は恥ずかしさを乗り越えて自信に満ちた充実した人生を選び、ある人は苦痛に耐えかね妥協した安楽で怠惰な道を選んでしまう。
その選択は、あなたの「考え方」にかかっています。
取り組む前から「やっても報われない」というイメージをもっている。
「経験がない」と尻込みしている。
こうした場合には、恥ずかしさに負けて簡単にあきらめてしまうでしょう。
「やれない」のではなく、「やらない」のです。
自分を信じる心は体験でしか養われません。
苦痛を乗り越え、自分自身への信頼感を高めることができれば、結果として物心共に豊かな人生を実現できます。
もし、恥ずかしさに負けそうになったときは、次の言葉を自分自身に唱えてください。
「人は生い立ちに関係なく、誰もが可能性をもっている」
「できる!」
「絶対できる!」
言語をプラスに変えることで、思い込みがプラスに変わっていきます。
やがて「いまの自分には、価値がある」「豊かな人生を歩むことができる」と思える努力を重ねられます。
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気質は変えられなくても、思い込みと行動は変えられる
人生は後天的に変えることができます。
自己訓練を重ねることで、その人がもって生まれた気質や特質に関係なく、人は誰でも成功タイプに生まれ変われます。
「自分はおとなしい性格だから」「生まれつき気が弱いから」といったことは関係ありません。
「選択」を変えれば、誰もが大きな自信をもって人生を歩めます。
ここでもう一度、人生の方程式を振りかえりましょう。
その人の人生=先天的特質×環境×本人の選択。
このうち「先天的特質」以外は、あなたが自分の意思で自由に選ぶことができます。
環境を変えることが難しい場合には、最後の「本人の選択」を変えれば、あなたは成功タイプに生まれ変わります。
成功の秘訣はとてもシンプルなものです。
自分の実力よりも少しだけ上の目標を設定し、実行する。
自分で決めたことを確実に達成していけば自信になります。
重要なのは、あなたの選択を変えることです。
気質は変えられなくとも、思い込みと行動は変えられる。
あなたに自信がなくても、すでに成功している人たちが数多くいます。
彼らと同じような考え方で行動すれば、あなたの自己肯定感は高まり、それが大きな自信へとつながっていきます。
「自信がないからやめよう」
こう思ったとき、人は挑戦をやめてしまいます。
最後までやり続けられるのは、「できない」ということを自分自身に認めなかった人間だけです。
「やめる」なんて考えは一片たりともなく、生き延びることだけしか考えない。
結果としてあきらめなかった。
そんな人たちだけが、自信や成功をつかむことができるのです。
あなたの人生は、あなた自身の手ですばらしいものにつくり変えることができます。
まずは、難易度の低い社交場面から少しでもやってみようということに前向きに取り組んでみましょう。
「先天的特質」の善し悪しは関係しません。
あなたこそが、自分の人生のオーナーであり、デザイナーなのです。
「本人の選択」を変えれば、きっとあなたの人生はすばらしいものに生まれ変わることでしょう。
他人と比べることをしない
「本人の選択」は、自分に正しい評価をすることから前向きに変わり始めます。
世の中とはおもしろいものです。
「この人はもっと自信をもったほうがいい。自信さえもてれば必ず成功する」と思える人がいる反面、「その自信はどこからわいてくるんだ」とあきれてしまうほど、根拠のない自信を強くもっている人がいる。
自信をもつためには、自分を認めてあげることが必要です。
自信をもてない人には、正しく自分を評価できていない人がたくさん見られます。
自分を正当に評価するためには、まず人と比べないことです。
もちろん、健全に比べるのであればかまいません。
問題は、自分より「できる人」と比較して、自分を卑下してしまうことです。
人と自分を比べて落ち込み、今の自分に合わない高すぎる願望や目標をもつことは、自信を形成するのにマイナス要素にしかなりません。
同じように過去の自分と今の自分を比べることもやめましょう。
「学生時代は、つねにトップクラスの成績をおさめていた」
「前の会社では、いつもトップセールスマンだった」
「以前の自分にできていたことが、いまの自分にはできない」
こうした過去の実績と比べて、「いまの自分はなんてなさけないんだ」と自分を責める。
これも本質的には他人と比べて卑下することと同じことです。
過去とはすべて記憶です。
いい体験にしろ、悪い体験にしろ、そのときの環境によって生み出されている部分が必ずあります。
ですから「過去と比べてどうか」ということに意味はありません。
大事なことは、昔の自分ではなく今の自分にフォーカスすること。
そして、確実に小さな成功を積み上げていくことです。
自信をつけたければ、「勝つ」ことよりも「強くなる」ことを考えましょう。
イソップの童話に有名な「ウサギとカメ」の話があります。
ウサギはなぜカメに負けてしまったのでしょうか?
ウサギは、カメと自分を比べて自分の能力に慢心してしまった。
ところが、カメは自分のゴールだけをずっと見続けた。
カメはウサギに勝つことよりも、自分の目標をどうしたら遂げられるのかということだけを考え続けた。
だから、カメは勝つことができた。
もし、周りの優秀な人を見て落ち込みそうになったときは、ウサギではなくカメの生き方を思い出してみてください。
いまのあなたに必要なのは「勝つ」ことではなく「強くなる」ことです。
人は悩んだ分だけ、苦しんだ分だけ強くなれます。
失敗の数だけキャリアを積むことができます。
恥ずかしさを乗り越えた分だけ自信がつきます。
そのときはとてもつらい。
つらくてつらくてたまらないが、その壁をなんとか乗り越え、あとで振り返ってみたら、ものすごく自分が強くなっている。
「逆境は幸せの前奏曲。あらゆる逆境には、必ずそれと同等か、それ以上の成功の種が隠されている」
苦しんだ分だけ、考え方が磨かれ、できないことができるようになります。
体験からのみ真の自信が形成されるのです。
自分の人生は自分で舵を取る
自分自身に正しい評価をするためには、自分で自分の人生に責任をもっているという意識が大切です。
あなたの人生は、誰のものでもない、あなた自身のもの。
たとえ、一生自信のもてない「あなた」のままでも誰も困りません。
誰も悲しんではくれません。
人間は記憶の生き物ですから、自分が愛されているという実感をもてず、自信がない人もたくさんいます。
自分が大切にされている実感がもてないつらさ、悲しみ、苦しみ。人間の弱さはよくわかります。
ただ、いつかは自分の足で立ち、自分の力で人生を歩んでいかねばなりません。
前述したように、自立なくして幸せな人生は送れないからです。
何を言っても、何をやっても、結局あなたの人生で起こったことは、すべてあなたにはね返ってきます。
ならば「気分よく生きていきたい」と思いませんか?
これに気づくことが自己愛です。
自分の人生は自分で舵を取るしかありません。
同じ人生、どれだけ自己嫌悪に陥ろうと、自責の念に悩まされようと、罪悪感を抱こうと、他人と比べて卑下しようとかまいません。
しかし、自分が「自分」のことをどれだけ嫌いになろうが、一生この「自分」から離れられないのです。
生涯この「自分」と付き合っていかなければならない。
ならば、もう一人の自分で「自分」をマネジメントしていきましょう。
自分の力で、物心ともに豊かな人生を送れるようになりましょう。
「あなた」の人生をよりよくできる人は、あなたしかいません。
自分の弱さも強さも全部含めて自分が大好きと言える人生をまっとうしていきましょう。
自分の人生はだれのものでもない。
自分自身のものである。
だから、誰のせいにもしない。
すべて自分の生み出した結果である。
こう考えられれば「もう、やるしかない」はずです。
「自分の運命は自分もち」
どう考えようが自分の人生なのですから。
「自分」という人間の運命を受け入れることで、自分の人生に全責任がもてる人間となれます。
全責任をもつということは当事者意識をもつと言い換えることができます。
当事者意識とは、身近な社交不安の例で言えば、パーティ、スピーチ、食事会、PTAの役員などもそうです。
自分の身の回りのことは、なんでも自分でやるのが原則です。
そして、もし周りの人に手伝ってもらえたときには、「ありがとう」と素直に感謝する。
これが当事者意識です。
その逆は被害者意識。
被害者意識には、甘えや依存の考えが存在します。
感謝が出来ない人の心は、いつも閉塞感に支配されています。
自分がやらなければならないことを、ほかの人にやってもらっていると気づいたときに人は変わります。
あなたには、あなたの人生をマネジメントしていく責任があります。
自分という人間の運命を受け入れ、自分の人生をよりよくできるのは自分しかいないと自覚しましょう。
「自分の人生には、自分が責任をもつ」
ありのままの自分の人生を受け入れられれば、堂々と自信をもって物事に取り組めるようになるでしょう。