自律訓練法と腹式呼吸

自律訓練法とは1932年にドイツの精神科医 シュルツによって作られた自分自身に暗示をかけて心身をリラックスさせる方法で、その場で出来て、即効性があるのも特徴です。

人は、緊張したりストレスを感じたりすると交感神経という神経が優位に働き、体も固くなり心身が戦うときの体制に入ります。

これと逆なのが副交感神経が優位に働くリラックスした状態です。

高ぶった交感神経を休め、副交感神経を優位にしてリラックスした状態に心身をもっていくのが自律訓練法と腹式呼吸です。

ではまず、自律訓練法のやり方について説明します。

●自律訓練法

①まず、椅子に深く腰掛けるか、床に仰向けになって寝転がるなど、体が楽な姿勢をとります。

②呼吸をゆっくり行うように意識します。

③「自分は落ち着いている」「自分はゆっくりしている」と自分に言い聞かせます。

④「自分の手と足がだんだん重くなっていく」と自分に言い聞かせ、自分の手と足が重くなっていくことをイメージします。

⑤「自分の手と足がだんだんぽかぽか暖かくなってくる」と自分に言い聞かせ、自分の手と足がだんだんぽかぽか暖かくなっていくことをイメージします。

これらのイメージをゆっくり時間をかけて行います。

すると、実際に手と足の温度が上がっていて、心身がリラックスしていることがわかります。

 

次に腹式呼吸のやり方を説明します。

人は、緊張したりストレスを感じたりすると交感神経という神経が優位に働くき胸式呼吸という浅く胸に息を溜めるような呼吸法になります。

この胸式呼吸を腹式呼吸に変えていきます。

●腹式呼吸の方法

①息ををゆっくり5秒以上かけて鼻から吸います。

この時に吸った息がお腹に届くイメージをします。

②お腹いっぱい息を吸い込んだら、今度は息を5秒以上かけてゆっくり吐き出します。

これを数分間繰り返し行います。

すると腹式呼吸を行う前より、心身がリラックスしているのがわかります。

 

あがり症や社交不安障害の人は不安場面が迫って緊張している時に腹式呼吸を行うと心身がリラックスする即効性があります。

緊急時に使える優れた方法でもあります。

ぜひ実践してみてください。