会社に対する自信
都心の一等地にオフィスを構えているから立派な会社、ネットで批判されているから(匿名の書き込みであっても)悪い会社。
上場しているから立派な会社。
でもサントリーや竹中工務店クラスになれば非上場でも特別だと言われる。
おもしろいですね。
私たちはイメージですべてを解釈しているのです。
実際に、勤めている人たちに聞いてもよい会社なのか、悪い会社なのかは人それぞれ違っています。
もしその会社がなくなってしまえば、社会に損失をもたらす。
社会に必要な事業を営んでいるのであれば、よい会社悪い会社というのはそれを見る人の解釈でしかないのです。
大事なことは有名でブランド力のある会社に勤めているかどうかよりも、目の前のお客様が満足しているかどうかです。
会社に対しての自信はどうしたらもてるのか?
まずひとつは会社がどういう構成になっているのかを考えるのがいいでしょう。
要素は大きく2つに分けられます。
・経済的側面
・精神的側面
経済的な側面とは、売上、利益、社員数、給与、福利厚生といった事実です。
精神的な側面とはなんでしょう。
まずは上司や仲間との人間関係。その会社が好きかというのは、人間関係に左右されます。
2つ目は業種、職種、仕事の内容です。自分の才能を活かせる仕事に携わっているという実感によって自分の成長と会社の発展が重なり、5年後、10年後にどんなキャリアを積めるのかという、将来の見通しになります。
3つ目は、社会性です。社会的に価値ある企業、価値ある仕事をしていると思えると、精神的な満足度が上がります。
4つ目は会社の代表者に対しての信頼。とくに中小企業はこれが大きいです。
最後が仕事のやりがい、生きがいです。
一般的に働きがいは真っ先に考えられる要素です。
しかし、本人が主体性をもっており、自己実現の意識が高ければ、どんな職場であっても、どんな仕事であってもやりがいはもてるものです。
会社に対する自信にいちばん影響するのは、やはり会社は人で構成されているので、そこで働く人たちとの相性です。
たんに気が合うというものではなく、働きをしっかり評価してもらえる、平等であるといったことも当てはまります。
会社に対する信頼感は(経営者を含む)誰と一緒に働くのか、次にどんな仕事をしているのか、そして、その仕事が自分のキャリア形成につながっているか。
この順番で醸成されます。
会社の自信を考えると、業界最大手であるとか、ポジションに注目する人がたくさんいます。
しかし、分解してみると、会社に対する自信は心理的側面が大きいのです。
どんな会社であろうと、自分がこの会社をよくしていくんだという立ち位置で、主体性をもった働き方をすれば自信がもてます。
そのためにも会社の歴史、創業者の考え方、理念、ビジョン、方向性、業界で果たしている役割、働く人が前向きかどうか、長い取引をしているお客様の声。
こういったことをよく知るべきでしょう。
職業に対する自信
仕事は人生のなかで圧倒的な時間を要します。
もし職業に対して自信がもてなければ、おそらく人生そのものに生きがいがなくなる、自分の存在理由が揺らぐほどになりかねません。
あるホテルでスタッフの方を「カラス」と言った人がいました。
教養がないので、その仕事しかできないと言うのです。
でも言った本人はそのスタッフの方からサービスを受けています。
こうした他人のエゴイズムは気にする必要がないし、自分自身もエゴを出さないように生きていけばいいのです。
職業が違うのは才能が違うだけです。
もちろん、悪徳業者のような社会的に見てよくない仕事であれば、すぐにやめなければいけません。
でも、たとえば車のセールスをしていて自分の売った車でお客様が事故を起こしてしまったら、「この仕事は人を傷つけてしまう」と自信を失ってしまうのは論理の飛躍です。
反対にそのマイナス思考を改善するべきでしょう。
現実とは人が五感を通して知覚した世界であり、一人ひとりのとらえ方は異なっています。
つまり、現実は千差万別でまったく同一のものは存在しないのです。
不当なことをしていないかぎりは、その商品によって人々の生活を成り立たせ、その商品によって世の中をよくしていく仕事に携わっています。
成果を出して生き生きと働いている人たちから話を聞きましょう。
業界のピークパフォーマーに仕事の価値について尋ねましょう。
その仕事がどういう歴史から生まれているのか、背景や社会貢献度を世界的な活動実績として確認しましょう。
あなたのいるフィールドは社会貢献の場です。
同時にあなたという人間の付加価値を示す場でもあります。
ノルマで働くのではなく、小さな達成を積み上げていくことで、大きな成功をつくりあげていく自己実現だと考えてみましょう。
プロは自分自身の能力を発揮する自己実現の舞台として働きます。
プロフェッショナルとアマチュアの違いは時間ではなく作品、プロジェクト単位で仕事をしていることです。
成果を出さなければ自信はつきません。
仕事は人生の基盤にあるものです。
何をしているかよりも、自分を鍛える場として仕事を捉えれば、どんな職業であっても誇りをもてるのです。
商品に対する自信
商品とは、お客様の問題解決、またはお客様の求めるイメージ・願望を実現できる機能や仕組み、アイデアを形にしたものおよびサービスです。
その商品が仮に1万円のものならば、1万円以上の付加価値を生み出せる見通し。
それが商品に対する自信となります。
大手が扱っているから、誰もが知っているから、有名人が愛用しているからよい商品だというのはイメージでしかありません。
もし絵が大好きな人がいたら、1000万円の絵画を売ることに疑いはなくなります。
でも、絵にまったく興味のない人なら「自分がこの絵に1000万円払うならマンションの1室を買うだろうな・・・」などと考えてお客様に売れなくなります。
商品に対する自信は、その商品力(商品そのものの機能・効能)と、本人の商品に対する捉え方という2つの側面があります。
「自分の問題を解決したい」「人を喜ばせたい」「ストレスを発散したい」「楽しい思いをしたい」「快感を得たい」「苦痛から解放されたい」。
ほかにもたくさん、人が商品を購入する理由は考えられます。
問題解決という切り口で考えると、お客様はなんらかのイメージを実現したくてものを買うわけです。
お客様が得られるものを理解する力がなければ、商品に対する自信はもてません。
ですから、販売する市場を間違ってはいけないのです。
誰のために、なんのために、なぜこの商品はつくられたのか。
商品の開発コンセプトを改めて学び直しましょう。
そして、具体的にその商品を使って効果を確認するのです。
すると、その商品の機能やなぜ競合他社と比較して、この価格なのかがわかってきます。
たとえば、エアコンにしても空気洗浄機能や加湿機能を加えるのは、他社商品との違いを出すためで、その機能を求めているお客様の購買動機になります。
他者との違いを確認することで商品に対する自信がつきます。
値付けには必ず根拠があります。
競合商品など、さまざまな要素のバランスで商品価格は決まります。
不当な利益を得る商品は長続きしません。
また満足したお客様の声を聞きましょう。
アンケートや感謝の声といった事実情報は思い込みではありません。
もし自社商品の性能が市場でいちばん劣っていたらどうするのか?
アフターサービスやメンテナンスといった商品以外の利点に目を向けて違いを出しましょう。
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自分に対する自信
自分に自信をもつためには、仕事で自信をつけることがいちばんの近道だと思います。
好きなことを好きなときに好きなだけできればいい仕事です。
みんなにうらやましがられるから、いい仕事ではありません。
たとえば、仕事が好きでたまらなくて、もっと働きたいのに17時には全員帰れと言われる。働きたい人にとってはいい会社にはならないでしょう。
アスリートが休みなく練習するように、目の前の与えられたことを全力でやっていく、お客様に尽くす。
そう考えたら時間の問題ではなく、多くの人の力になろうとする働き方になります。
もちろん短時間で成果を出すことが理想です。
ただ社会に役立つことをする、会社の幹部になって組織を引っ張る、高い志をもって自分を尊重して生きてもらいたいと思います。
目標に向かってベストを尽くすから、結果が出る。
報われることで「ああ、やっぱりいい仕事だな」と実感する。
はじめの一歩目は言葉の管理です。
急な仕事やストレスがかかるようなことも、まるで遠隔装置のように、言語管理(肯定的な口癖)によって感情が変わり、最後は行動管理にまでつながっています。
どうしたら苦痛感情を乗り越えて気分良く生きていけるのかを考えた結果、言葉と態度を選ぶようになります。
背伸びしないありのままの自分で人と接することによって、明るく生きていけるのです。
もっと言えば、折れない自信をもつためには、生活習慣を変えなければいけません。
怠惰よりは勤勉、ルーズよりは自分のために決めたことを終わらせる。
よりよく生きようと努力する自己実現の手段として仕事を捉えるから、仕事に対する感謝が生まれてきます。
小人閑居して不善をなす。
早く帰ってやることがないから浪費をする。
借金まで抱える人もたくさんいます。
20代、30代はひとつでも自分の得意なものをもって極める。
これはあいつの右に出る者はいないというくらい何かに秀でる生き方にチャレンジしてほしいと思います。
なぜなら打ち込んだら自分のことが好きになるからです。
ここまでやっている自分は建気だな、そう誇れるなら横にはほんとうに働いてきたという事実があります。
こんな条件が整ったら自信ができるなんているものはありません。
自信は環境や人につけてもらうものではなく、自分で育むものだからです。
仕事を単なる生活の糧ではなく、自分の存在価値を証明できる舞台として、成功体験を積み上げてください。