自己肯定感が低い人の心理と高める方法

人生に素晴らしいパラダイム・シフトを起こそう

つい「自分なんて」と思ってしまう人。

どうして「〇〇さん」のようになれないのだろう、と落ち込んでしまう人。

自分は誰からも好かれないだろうなと思ってしまう人。

一生懸命やっても、いつも何か足りないと感じてしまう人。

自分をいたわれない人。

誰も自分を大切にしてくれない、と不満を抱えている人。

他人に「ノー」が言えない人。

いつも自分だけが場になじんでいないという気がする人。

・・・これらの人たちは、ある共通した問題を抱えています。

それは「自己肯定感」です。

ここでは簡単に、「自己肯定感」=「自分を大切にする気持ち」ととらえておいてください。

自己肯定感は、実にさまざまな行動に影響を与えています。

たとえば、自己肯定感が低い人の中には、「いつも他人を優先させてしまう」というタイプが少なくありません。

自分と他人の意見が違うときに、「私はいいです」と、つい譲ってしまう。

他人に頼まれた仕事を断われず、自分はすっかりボロボロになってしまう。

自分の好みを主張できず、他人の好みにいつも従ってしまう。

こうした行動の根っこには、自己肯定感の低さがあります。

他人の価値よりも自分の価値のほうが低いと思ってしまうので、自分の意見や都合、体調や好みなどを自己主張することができないのです。

だからといって、「もっと自己主張をして、自己肯定感を高めよう!」

「もっとノーが言える人間になろう!」

と頑張ればうまくいくかというと、必ずしもそんなことはありません。

自分の意見を言うだけでは、自己肯定感は高まりません。

むしろ、「こんなことを言ってしまってどう思われただろうか」「わがままだと思われたのではないか」と、ますます自信がなくなってしまう人もいるでしょう。

治療方法としては、自分の本音を伝えて、相手と分かり合い、「つながり」を感じたり、「人間関係はコントロールできる」という感覚を得たりすることによって、自己肯定感を高め、精神疾患を癒していきます。

なぜ、自己肯定感を高めると、精神疾患が癒されるのでしょうか。

自己肯定感が上がると、自分を責めなくなります。

失敗しても、「まあこんなこともある」と思えるようになります。

不安が消え、生きるのが楽になります。

達成感を味わえるようになります。

自分を大切にすることができるようになり、他人に振り回されなくなります。

大切な相手に、自分の気持ちを伝え、温かいつながりを感じられるようになり、人間関係の質が高まります。

自信が出てきますし、人生を思い通りにコントロールできるようになります。

だからこそ、うつ病など心の病もよくなるのです。

とはいえ、「自分の本音を伝えて、相手と分かり合い、『つながり』を感じる」などということは簡単にはできません。

自分の本音を言ってみたら、相手からとんでもない攻撃を受けた、などということもあるでしょう。

そもそも、自己肯定感が低い人にとって、「相手に自分の気持ちを言ってみる」というのは、治療者の力でもかりなければ難しい場合が多いですよね。

本音を伝えるべき「相手」がいない、と思う人もいるでしょう。

そこでお伝えしたいのが、「他人をリスペクトしてみる」という手法です。

リスペクトとは、「尊敬」と訳されがちです。

だったら、尊敬という言葉を使って、わざわざリスペクトなどというカタカナを使わなくてもよいのですが、「尊敬=誰かと比べて秀でている人を敬う気持ち」と、「リスペクト」とは、ちょっと意味合いが違います。

ここでいう「リスペクト」とは、「ありのままの相手に敬意を持つ、尊重する」という感じでしょうか。

自己肯定感を高めよう、と思うと、どうしても「自分の好きなところを見つけよう」「もっと自分の感覚に正直になろう」など、「自分」を中心としたアプローチになりがちです。

しかし、そうしたアプローチがうまくいくことはあまりないでしょう。

自分の中の、ある部分だけを取り出して「好き」と考えても、自分という存在への敬意や尊重にはつながらないからです。

ですから、ここではあえて、「他人をリスペクトすること」を、自己肯定感を高めるカギにしていきます。

「他人を尊重する」ということは、今までのような「他人を優先して、いつも自分を後回しにしてしまう」ことと変わらないのでは、と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

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自己肯定感を高める方法

「リスペクト」はあらゆる人やものに対して持つことができます。

通りすがりの人、いつも見慣れた環境、いつも応対してくれる店員、自宅まで荷物を配送してくれる宅配便の人、たった今食べているもの、あるいは「今この瞬間」・・・これらを改めてリスペクトしてみると、人生の質がぐっと上がるのが感じられると思います。

なぜかというと、かけがえのないものに囲まれて、一生懸命生きている自分や他人の姿を感じられるからです。

「リスペクトする」は動詞ですが、実際の感覚は「する(Do)」ではなく「あり方(BE)」に近いのかもしれません。

つねに、自分と縁のあるものを「リスペクトする」という姿勢でいること。

これは、丁寧に生きる、ということです。

もちろん、「丁寧に生きなければ」と自分に「べき」のプレッシャーを課すことではありません。

そもそも、「べき」と思うほうは選ばないのです。

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人間としての自分の「事情」を考慮しながら、できるところから、自分についても、他人についても、ものについても、その「ありのまま」をリスペクトする―そんな自分であること(BE)が、自己肯定感を高めるための近道なのです。

ある人に対してつい感情的になってしまってうまくリスペクトできなかったな、と感じたら、そんな「自分の事情」を受け入れて、それでも丁寧に生きていこうとしている自分をリスペクトすればよいのです。

自己肯定感を高めるために、この記事を読んで下さったことも、リスペクトに値します。

人間は、やはり「よりよく生きる」ことを目指して前進する存在なのです。

最終的に人は、あらゆるものをリスペクトすることができます。

それは、今この地球に生きていること全体を恵みとして受け取るということ。

そうすれば、自分がここに生きていることがすばらしい奇跡のように感じられるでしょう。

そんな心境に達することができたとき、私たちの自己肯定感は限りなく高まっていると言えます。