自信を失わせる相手に左右されない

劣等感とは

自己肯定感を持つために重要な劣等感との向き合い方について考えていきます。

劣等感とは能力、性格、容姿などが劣っていると思い込む感情的なわだかまりです。

劣等感をたくさん抱え込むと、人よりも自分は多分に劣っていると思い込んでしまいます。

これでは自虐的になり、自己肯定感を持つことが難しくなります。

この状態では人と接する度に劣っている自分を意識してしまうため、コミュニケーションをとることが嫌になってしまいます。

従って、自分の心が劣等感で支配されている場合はこれを前向きに変えていく必要があります。

ただ、注意しておかなければならないのは、劣等感を持つことが決して悪いことではないということです。

劣等感は自分の理想とする姿と比較した瞬間、多かれ少なかれ発生するものです。

例えば、体重が90キロだとして、理想とする自分の体重が65キロだったとします。

このとき理想とする自分に対して今の自分は劣っていると認識してしまいますので、劣等感が生じます。

しかし、逆に言えば劣等感を感じるからこそ人間は減量しようと前向きな心を持つことができるのです。

もし「太ったままでいいや」という気持ちだったら、痩せようとする気持ちは生まれてきません。

ですので、劣等感を持つこと自体は決して悪いことではなく、むしろ自分を成長させるための大事なきっかけとなることを覚えておきましょう。

しかし、この劣等感が自分の処理できる範囲を超えたとき、心は悲鳴を上げてしまいます。

自分の限界を超えた理想像を追求し過ぎると、その理想に到達できない自分に対して一生劣等感を抱き続けることになってしまうのです。

どれほどの劣等感に耐えられるかは人それぞれです。

しかし、度が過ぎると苦しさは極限に達し、前向きに考えることすらできなくなってしまいます。

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ある程度自分の能力や、もって生まれた容姿・才能に折り合いをつけて自分を許してあげることも大事になってきます。

目指すべきは、前向きに生きる原動力となる程度の劣等感を持つことです。

これは非常に漠然とした言い方になってしまいますが、自分の中の感覚として認識するしかありません。

自分がエネルギッシュに目標に向かって動いていけるなら良い状態、劣等感に苛まれて人と会うのが億劫になっているとしたら、それは心が悲鳴を上げている状態だと思ってください。

それでは実際に劣等感に苛まれたとき、その状況を打破する具体的な方法についてお伝えいたします。

それは、いつ、どこで、どんなタイミングで、何を実行するのかという課題の自己設定です。

具体的には、問題解決型の以下の5つのステップを使って効率よく考えていきます。

  1. 問題(劣等感)の認識
  2. 深刻性(劣等感の大きさ)の認識
  3. 原因の把握
  4. 解決の模索(実行可能性・問題解決可能性を考える)
  5. 得られるもの

1.劣等感の認識

まず、自分はどんな劣等感を持っているのか考えていきます。

例えば、ニキビに悩まされているのでニキビのある肌が嫌だとします。

2.劣等感の大きさの認識

次にその劣等感が自分にとってどれぐらい大きなものなのかを考えます。

ニキビがあると、人前に立つことが嫌になってしまいます。

その結果、人前でのスピーチが怖くなってしまう、と認識します。

もしこの劣等感の大きさが思ったよりも大きくないと感じれば、考える時間がもったいないので、それ以上は考えません。

この大きさを過大評価、過小評価せず、本当に自分にとって本質的にどの程度大きなものなのかをじっくり考えます。

もし、自分にとって考える価値があるぐらい大きなものであれば、次のステップに進みます。

3.原因の把握

次にその劣等感が発生している原因について考えていきます。

この原因についてはたくさんのものが複雑に絡み合っているパターンがほとんどです。

一つだけではなく、複数挙がるのが普通です。

例えばニキビで悩んでいるのであれば、物理的な要因としては生活リズムの乱れ、食生活、遺伝的なものと挙げていきます。

4.解決策(A.実行可能性 B.解決力 C.5W1H)の模索

四つ目のステップは解決策を考えていきます。

挙げられた原因のうち、改善できそうなものを選び、たくさん解決策を考えます。

遺伝的な要因については対処が難しいので考えず、朝早く起きる、食生活を見直すという解決策を考えます。

ここで大事なことは、その解決策は実行可能か(それが絵に描いた餅にならないか)?

2問題の解決力があるか?

B.問題の解決力があるか?

C.5W1H(のWhatまで)に落とし込めるか?を考えることです。

5W1Hとは

When(いつ)
Who(誰が)
Where(どこで)
What(何を)
Why(どうして)
How(どのように)

の6つのことを指します。

3つで区切り、「いつ、誰が、どこで」、「何を、どうして、どのように」として覚えると暗記しやすくなります。

せっかく考えた解決策でも、現実的に実行できず、問題の解決力がなければ意味がありません。

また、抽象的であれば、どこで実行するかがはっきりしません。

しっかりと、いつ、どこで、何を、どのように実行するのかまで落とし込んでいきます。

特に時間については、こだわっていきましょう。

解決策を考えたときは以上3点は必ず考えてください。

5.得られるもの

最後にその劣等感がなくなったとき、自分にはどんなメリットがあるのか考えていきます。

例えばニキビが改善されたら人前に立つことが楽しくなり気持ちよくスピーチができる、と考えます。

そのように考えた上で、生活の中で実際に実行していきます。

このとき効果があれば素直に喜びます。

逆にうまくいかなかった場合は、決められた期間を置いてから再び解決策を練り直します。

何度も何度も繰り返していくことで、解決策の立て方がうまくなり、生きる力がついてきます。

なお、劣等感については、物理的に変えることができるものと、物理的に変えることができないものがあります。

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先ほどのニキビの悩みについて言えば物理的に改善が可能な部類に入ります。

しかし、身長等の遺伝的な要因のものや、過去の過ち、生まれなどは物理的に変えることができません。

こういった変えようのない事実については、心のあり方を変えて、前向きに生きるためのエネルギーの源泉にしてしまうことをお勧めしています。

これは心理学的には昇華と言います。

この解決策の立て方ですが、複雑なものは文章に起こすことをお勧めします。

特に、あまりにも複雑な状況に陥り、頭が混乱しているときなどは、ゆっくり文章化してください。

文章だけではなく、図や矢印等を使って分析していくことも良いでしょう。

紙はA4のコピー用紙などのなるべくシンプルなものを使います。

また、ブログで綴っていくのも良い方法です。

ただし、もうすでに自分の中で解決策ができ、実際に実行できている場合は時間がかかるので文書に起こす必要はありません。

どんどん実行していきましょう。