社交不安障害が悪化すると強迫観念(強迫性障害)が起こることがあります。
といいますか、社交不安障害自体が対人関係における強迫観念そのものであると思います。
人前で震えてはいけない、人前ではどっしりと構えなくてはいけないなど、それ自体が強迫観念です。
わかりやすい体験談として
私の社会不安障害から生まれた強迫観念についてお話します。
私が、悩まされた強迫観念はメールの返信です。
社会人になって5年目位の時期だったと思います。
当時、特定の人との人間関係がこじれた時期がありまして、
その人から夜になるとメールが来るのですが、このメールにすぐ返信しなければならないという強迫観念でした。
きっと心の奥底の本心はメールに返信したくない。その人とコミュニケーションをとりたくない。距離をおきたい。という叫びがあったと思いますが。
当時は、その本心を押し殺していました。
そして、メールに返信し、
そうすると翌日も相手からメールが来ることになります。
次第にそのメールが来ること自体が恐くなっていきました。
でも、私はそのメールに返信し続けました。
そしてメールに返信すればするほど、恐怖や不安は強くなっていきました。
メールに返信しなければ相手は傷つくと、
自分の本心は押し殺して、強迫観念に従って行動していました。
このように、社交不安障害が悪化すると強迫観念が現れることがあります。
また、もうひとつ別のケースを紹介します。
このケースも私が社会人になって5年目位の頃だったと思いますが、
社交不安障害の根底にある対人の強迫観念とはまったく関係ない強迫観念が現れました。
それは、社交不安障害で心理的の不調をきたし、食欲が無くなった時期がありました。
まったく食べ物を食べたいとは思いません。
しかし、私は食べ続けました。
食事はしっかりとらなければ体力が出ず、それが続けばいずれ死んでしまうという強迫観念でした。
そして、食べれば食べ続けるほど、食欲は無くなっていきました。
しかし、苦しいながらも私は食べ続けました。
このように、社交不安障害が悪化して心理的に不調をきたすと、まれに対人とは関係の無い自分の潜在的な強迫観念が現れることがあります。