対人恐怖症、社交不安障害で心療内科や精神科にかかるとほとんどと言っていいほど、まず薬が処方されます。
しかし、まず初めに断言しておきますが、薬を飲んだからと言って対人恐怖症、社交不安障害がきれいさっぱり元から治ってしまうことはありません。
薬はあくまでその補助的な役割として使用されることです。
対人恐怖症、社交不安障害の第一選択薬として処方される確率が高いのがSSRIというタイプの抗うつ薬かベンゾジアンゼピン系抗不安薬、または場合に応じてβブロッカーという種類のタイプのものです。
●SSRI(抗うつ薬)の主な薬名:パキシル、ジェイゾロフト、デプロメールなど
なぜ、抗うつ剤が処方されるのかと言うとその薬理効果が社交不安障害やあがり症に有効だからです。
どんな感じかというと、私もSSRIをほんの数週間だけ飲んだことがありますが、緊張する場面になると、まっいいか。という気持ちになって楽になることです。
●ベンゾジアゼピン系抗不安薬の主な薬名:デパス、レキソタン、ソラナックス、ワイパックスなど
抗不安薬は私も長いことお世話になってましたが、飲むと即効性があり不安を和らげてくれます。
しかしその副作用として初めはとても眠くなります。
緊張と正反対の状態の眠い状態に持っていく、つまり副交感神経を優位にするためです。
●βブロッカーの主な薬名:インデラルなど
βブロッカーは過度の緊張状態で現れる手の振るえや心臓のどきどきを和らげてくれます。
これらの薬は対人恐怖症、社交不安障害を治療していく上で私達に大きな力を貸してくれます。
しかし、薬だけではあがり症・社交不安障害そのものを完治させることはできません。
薬を飲んで緊張が消えて、やったと思っても、薬を飲むのをやめたら元の症状がまた出ることになります。
薬はあくまで治療の補助的な役割で使用します。
対人恐怖症、社交不安障害の人の前に立ちはだかる不安や恐怖の壁を低くしてくれます。
そしてその壁を乗り越えるためのチャンスを与えてくれます。
そのことには、医学の進歩に大きく感謝したいです。
しかし薬はその症状を消去していくことであり、あがり症・社交不安障害を根本的に治していくにはその症状を受け入れていくことなので、薬は本来はいらないものなのだ。
対人恐怖症、社交不安障害に効果的な薬の使用法としては、まず薬を使って緊張場面でもなんとか不安を乗り越えられるまでその不安を下げてうまくいったら、少しずつ量を削っていきます。3錠を2錠、1錠と減らしていきます。
そして、最後には薬無しにもって行きます。
薬は対人恐怖症、社交不安障害の人がそれを乗り越えようとするとき大きな力を貸してくれます。
あまりに辛い時は薬に頼ってよいと思います。
※薬の使用や減薬に関しては専門の医師と相談の上行ってください。